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デハ3450

東急電鉄デハ3450形(復刻旧塗装)
先頭車+中間車3両入り

【その1】

60年前の東急を楽しめる電車の話

二度目のリバイバルカラー写真 Photo:諸河 久フォトオフィス
二度目のリバイバルカラー写真 ▲オリジナルから約60年、最初のリバイバルから28年目となる二度目のリバイバルカラー

 銀色の電車が行きかう東急電鉄に、かつては緑色の電車が走っていました。平成の時代(と言っても平成元年ですが……)まで走っていたのでつい最近のことに思える人もいるかもしれませんが、もう28年も昔の話。
 このとき引退した電車がデハ3450形といい、1931〜1936年に50両が造られた、戦後の東急を支えた電車の一つなのです。
 デハ3450形は他の緑の電車と3両編成を組んで池上線や目蒲線(今の目黒線の一部と・東急多摩川線)を走っていました。当時他の関東大手私鉄ではもう見られないレトロな雰囲気の電車だったことからそれを揶揄した『目蒲線物語』という歌にもなり、しかもそこそこヒットしました。
 末期は1950年代のリバイバルとして、その当時塗られた黄色と青のカラーで有終の美を飾りました。
 ところでこの黄色と青の塗装といえば、現在1000系1017編成がこの塗装で運行しています。60年も前の塗装がまさかの二度目のリバイバル。二色時代のデハ3450形を実体験した人はさすがにもうあまりいないでしょうが、1989年のリバイバルカラーなら体験した人も多いはず。あの頃を思い出しながら池上線や東急多摩川線に乗ってみてはいかがでしょう。


【その2】

東急電鉄デハ3450形(復刻旧塗装)発車準備完了!

車庫に銀色の電車と並んでいる画像 ▲東急電鉄デハ3450形の引退時に施された復刻旧塗装バージョンがプレミアムバンダイより登場! T.K.K.マークが目立つ、まさにプレミアムなモデルです。
3両の先頭車が並んでいる画像 ▲実車にあった車両のバリエーションをBトレでも存分に楽しめます。

パーツ画像 ▲豊富なパーツの組み合わせで3タイプの編成を作りわけることができます。

 前回このコーナーで紹介した東急電鉄デハ3450形(復刻旧塗装)。いよいよプレミアムバンダイより発車準備が整いました!
 この車両は1989年にデハ3450形が引退する際、1950年代に活躍した黄色と青の旧塗装を復刻したもので、3編成がこのスペシャルなカラーになりました。
 本製品は1箱で3両1編成を製作可能。復刻旧塗装をまとった3編成のいずれもパーツの組み合わせで再現できますので、どの編成を作るかはお好み次第。もちろん3箱購入して3編成コンプリートしてもいいでしょう(ただし、デハ3472は”タイプ”となります)。
 実車は正面の形状や中間車の屋根など、1両ごとに微妙な違いがありましたが、本製品では作り分けのためのパーツも豊富に用意し、プレミアムバンダイにふさわしい仕様となっています。
 豊富なパーツを利用してトコトンこだわってもよし、3両編成の手軽さで、ジオラマやレイアウトに組み込むもよしです。このセットを2編成組み立てて、複線区間ですれ違いのシーンをジオラマで組んでみてもいいでしょう。今だったら鉄道ファンが殺到するような激レアなシーンを机の上で眺められるなんてたまりません。戦後の東急電鉄を支えた功労者の勇姿を、ぜひあなたのBトレワールドで堪能してください。
 本製品の詳細は次回の更新でお届けできる予定です。お楽しみに!

※製品写真は試作品です。実際の製品とは仕様が異なる場合があります。


【その3】

豊富なパーツで車両の特徴を再現!

車庫に電車2両が並んでいる画像 ▲非貫通のデハ3432(右)と貫通型のデハ3484(左)が車両基地に並びました。複数買いで編成バリエーションを楽しめるのが本製品最大の特徴です。

 前回試作品を公開した東急電鉄デハ3450形(復刻旧塗装)。50両が造られ、玉川線系統をのぞく東急各線で活躍した車両ですが、製造年次の違いや後年の改造で、同一形式ながらさまざまなバリエーションが生まれました。
 本製品はその中から、1989年に復刻旧塗装として登場した3編成をモデルとしていますが、一箱でサハ・クハも含めた3両編成を組めるばかりでなく、豊富なパーツの組み合わせで復刻旧塗装をまとった3種類の編成形態を再現できます。まさにプレミアムバンダイだからこそできるスペシャルな製品なのです。
 今回は本製品で製作可能な編成例を紹介します。

(編成1)デハ3452+デハ3451+クハ3861

編成01画像

 デハ3452は非貫通タイプの先頭車。続くデハ3451は中間車改造された姿を専用パーツで再現できます。クハ3861は近代的なYS-T1台車を履いた軽快な姿を再現。

(編成2)デハ3472+サハ3375+デハ3471

編成02画像

 デハ3472は事故復旧車でノーシル・ノーヘッダの車体が特徴ですが、本製品では『タイプ』としてデハ3450形標準のシル・ヘッダつきのボディとなります。そのかわり台車はデハ3472の履く川崎タイプの弓形イコライザー台車を用意。パンタグラフもホーンが1本タイプのものを用意しています。サハ3375はクハ3861同様YS台車を履きます。

(編成3)デハ3484+デハ3457+クハ3866

編成03画像

 デハ3484は弓形イコライザー、デハ3457は日車D-18、クハ3866はYS-T1と、3両すべて台車が異なる足元の違いにこだわった編成です。また、デハ3484は貫通型の先頭車なので、デハ3452とはまた異なる顔つきを楽しめます。中間に挟まれたデハ3457には、初期車両の名残であるパンタ台の跡が付いた屋根を使用しており、デハ3451との違いが上から眺めると一目でわかります。


車庫に電車2両が並んでいる画像 ▲1950年代は東横線でもデハ3450形が活躍していました。パンタグラフを4基上げて走る堂々の5両編成を、Bトレで楽しんでみるのもいいですね。[Photo:RGG]

 このように、復刻旧塗装の3編成は、屋根、正面、台車などどの編成にも何らかの違いがあるので、3セット購入して3編成を作り分ける楽しみもあります。また、Bトレであれば1950年当時の東横線編成をイメージした5両編成を組んでみてもいいでしょう。デハ3450形はモーター車2両にモーターなしが1両の組み合わせが基本なので、デハ3450を4両とクハ3861のような組み合わせなんてどうでしょうか。パンタグラフが接近しないよう、たとえば上の(編成1)と(編成2)を組み合わせ、デハ3451とクハ3861の間にデハ3472とデハ3471を組み込んだ、デハ3452+デハ3451+デハ3472+デハ3471+クハ3861という組み合わせはどうでしょう。運転台同士が向き合わないようにつなぐのがコツです。
 このように、実在の編成にこだわらずさまざまな編成や車両パターンを考えて遊べるのも、本製品の楽しみかたのひとつです。

※製品写真は試作品です。実際の製品とは仕様が異なる場合があります。


【その4】

デハ3450を走らせよう!

走れば楽しさ倍増

 Bトレインショーティーは、一部の車両を除いて別パーツを追加することでNゲージ鉄道模型の線路を走らせることができます。Bトレインショーティーが線路の上を走り出すと、楽しさは倍増すること間違いなし。Bトレインショーティーは全長を約半分に縮小したモデルですが、それゆえに通常の鉄道模型では曲がれないような急カーブを曲がることができ、ひいてはそれは卓上で気軽に走る模型を楽しめるメリットになります。

車庫で動力化するイメージ

手順は簡単

 デハ3450形を走行可能にするには、別売の『動力ユニット3電車・気動車用』、『走行台車 T改』をそれぞれ1セット用意します。これらを公式サイトまたは添付の取扱説明書の指示に従って取り付ければ準備はOK。すでにNゲージ鉄道模型の線路をお持ちであれば、それらを使用して運転を楽しめます。
 もしNゲージ用の運転システムをお持ちでない場合は、Bトレインショーティー用の走行システム『レイアウトベース N-B4』をお勧めします。こちらは1周分の線路がすでに組みつけ済みのレイアウトボードで、単4電池6本をボードに入れれば、面倒な配線の手間もなくすぐにBトレインショーティーを走らせることができるのです。
 このレイアウトボードN-B4、コントローラと線路が一体になっているので展開と収納がとても簡単。使わないときは箱に入れて本棚に立てかけておいても大丈夫な手軽さが売り。半径100mmのカーブはNゲージとしてはかなりの急カーブですが、Bトレサイズだと逆に実感的に見えます。ちょうど、カメラの望遠レンズごしに列車を見るようなイメージになるのです。視線を下げて列車を眺めると、想像以上に実感的ですよ。

池上線がカーブを曲がる様子 ▲実際の池上線にもこのようなカーブがありますが、BトレインショーティーのサイズならN-B4上で雰囲気を再現できます。
動力ユニットと走行台車 ▲Bトレインショーティーの床板と台車を外し、中間車両に動力ユニットを、両先頭車には走行台車T改を装着します。3〜4両編成であれば動力ユニットは1台で十分です。
レイアウトベースを走る3450形 ▲レイアウトボードN-B4上にデハ3450形を配置。右下のつまみを回せばするすると動き出します。速度の調整は自在にできるので、運転士気分が存分に楽しめます。

 N-B4の上でデハ3450形を走らせるとき、何か走行の目標になるものがあると俄然楽しくなります。N-B4はNゲージの規格に合わせて作られているので、たとえばホームを配置すれば、駅の停車や通過を楽しめますし、建物を置けばちょっとしたジオラマを楽しめます。
 実物の東急池上線に乗って、車窓を観察しながらN-B4上にアレンジし「マイ池上線」を造ってみてはどうでしょう。デハ3450形専用レイアウトなんて贅沢も、場所をとらないコンパクトなN-B4との組み合わせだからこそ楽しめるというものです。


【その5】

N-B4に池上線を再現!

Bトレならレイアウトもお手軽!

 Bトレインショーティーに限らず、鉄道模型は風景の中を走らせるとその魅力は何倍にも膨らみます。鉄道模型をやるならぜひレイアウトを! と強くお勧めしたいところですが、どうしてもスペースの問題は付いて回ります。
 Bトレインショーティーはその点、全長が鉄道模型の半分なので急カーブにも強く、小さなスペースで楽しめるため、レイアウトもかなりコンパクトにまとめられます。Bトレインショーティーとレイアウトの相性はたいへん優れているのです。
 そこで今回はBトレインショーティー専用のレイアウトベース、N-B4上に製作した池上線風のレイアウトを紹介します。

東急池上線

 五反田〜蒲田間10.9kmを3両編成の各駅停車が行ったり来たりする路線。急行列車の設定もない地味な路線ながらも、車種は古い車両から新しい車両までさまざま。風景も複雑な地形の中、トンネル・築堤・高架線など風景がめまぐるしく変わる、見ても乗っても楽しい路線です。また、画像にある石川台駅の送電線をかねた高い架線柱は、昔ながらの『電鉄』を偲ばせる風景として私鉄ファンに人気があります。

エッセンスをいかにアレンジするか

 さて、ミニレイアウトに有利なBトレインショーティーといえど、N-B4の大きさは367×260mm。実物に換算すると約55m×39mです。小学校の校庭よりも狭いスペースの中に池上線を「押し込める」のですから、実物をそのまま縮小しただけではうまく収まりません。  そこで「どのエッセンスを組み込めばらしく見えるか」を考えるのがレイアウトデザインの楽しいところです。そこでまずは池上線の風景で印象的なところはどこか、実際に池上線に乗って車窓を眺めてみました。

   ▲池上線を特徴付ける風景、小さな駅舎と戸越銀座商店街。長く延びる商店街を表現するには、縦方向の奥行きが足りません。どうするべきか?
   ▲このように商店街を90度曲げることで商店街の奥行きを確保。大事なのは「踏切のそばに戸越銀座商店街がある」ということです。

パズル感覚で池上線を詰め込もう

 まずはテレビでもよく紹介される戸越銀座商店街。池上線の風景にぜひとも取り入れたいところですが、直線上にホームを作ると商店街に十分な長さを確保できません。
 そこで、商店街を90度傾けて駅と平行に配置します。大事なことは「踏切から商店街の看板が見えること」です。実物を頭の中でパーツごとに切り分けて、パズルのようにN-B4に並べ替えていく。これが「Bトレ流」レイアウト。
 結果複数の人が同じテーマでレイアウトを作っても、おそらくいろいろな解釈が生まれることでしょう。それがまたレイアウトを創作する面白さなのです。
 ここではさらに『池上線らしさ』のエッセンスとして旗の台駅の木造ベンチと立体交差する大井町線を組み込みました。駅のベンチのような小道具は池上線を知っている人が見たら「おっ! わかってるね」と思ってくれる重要なアイテム。レイアウトやジオラマを作るときはこういった小物をどれだけ集められるかで「らしさ」が決まってきます。
 本物そっくりに作るのではなく、立体のイラストを描くような気持ちで作るといいでしょう。

   ▲踏切だけアップで見ると戸越銀座駅ですが、すこし引いてみると旗の台駅にはやがわり。似たような駅の要素をひとまとめにするのもミニレイアウトのテクニックのひとつです。
  ▲旗の台駅のホームから見た池上線電車。再現すべきポイントは上を跨ぐ大井町線とホームのディテールです。
  ▲歴史を感じるホームのベンチ。こういった小道具は何をおいても再現しましょう。
  ▲壁に張り付いた長い木造のベンチ。これを見れば知っている人は「おっ、旗の台だね!」と認識するわけです。また、駅名標はデハ3450の現役時代に合わせて昔のデザイン。時代に合わせたこだわりも見せ場のひとつです。

ボードは小さくてもできることはいっぱい

 このように、わずかなスペースでも工夫と観察で特定路線をイメージしたレイアウトは作れます。市販の建物を並べるだけでも楽しいのですが、それをちょっとひとひねりして「池上線らしい並べかた」みたいなものを研究してみましょう。レイアウトに『正解』はありません。あなたが納得する池上線の情景が盛り込めたのなら、それがあなたにとっての池上線。かけがえのない風景なのです。
 レイアウト、というと部屋を占有するような大きなものをイメージしてしまいますが、Bトレインショーティーであれば急カーブにたいへん強いので、このような小さなレイアウトでも風景づくりを思う存分楽しめます。それこそ、所有している車両ごとに複数のレイアウトを作って所有することだって、Bトレインショーティーなら夢ではないのです。

  ▲駅の反対側は石川台付近の築堤を作って雰囲気を変えてみました。小さなレイアウトでも見どころをたくさん作ることで、無限の広がりを見せることができます。
  ▲実際の石川台付近はこんな感じ。レイアウトではカーブの半径に合わせて前後を圧縮しているのがわかると思います。Bトレは車両が短いためこんなアレンジも違和感がありません。
  ▲これが池上線レイアウトの全景。実物換算で学校の校庭ほどのサイズに池上線のエッセンスを詰め込みました。デハ3450形とともにぜひあなただけの池上線を作ってみましょう。

プレミアムバンダイ
3両イメージ画像

製品名 東急電鉄デハ3450形(復刻旧塗装)
予約受付 2016年7月1日〜
お届け日 2017年1月発送予定
販売 プレミアムバンダイ
先頭車+中間車3両入り
価格:3,780円(税8%込、送料別)
東京急行電鉄株式会社商品化許諾済
※車両以外は製品に含まれておりません。

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