MG ウイングガンダムゼロ EW Ver.Ka
開発ドキュメント
MG Ver.Kaでカトキハジメ氏が本格的に取り組むことになったウイングガンダムゼロ EWを、コメントや開発画稿を交えながら深掘りしていこう。
COMMENT BY KATOKI HAJIME
デザインは「メカ打ち」で決めますが、今だったら会議室に10人以上集まってやるところを『EW』では監督の青木さんとスタジオの一角で済ませましたねえ。その場で丸チョンみたいなラフを描いてコンセプトにOKをもらってデザインを始めました。2020年の現在、ガンプラは40周年だけど、90年代だった当時はガンプラは10周年と少々...。MGシリーズが始まったのは15周年の1995年ですよね。当時の模型誌のガンプラ作例では、脚を5mmとか10mm伸ばす改造が流行ってたように私には見えました。ロボのプロポーションはそんな単純な物じゃないとは思ったけど、皆が“足が長い=カッコイイ”という認識ならそれでいいじゃない、じゃスーパーモデル並みに長くしてみようとしたのが『EW』のコンセプトでした。それで大河原さんがデザインされたTV版とはプロポーションを変えさせて頂きました。今思うと随分勝手な事をやった気もしますが、『マクロス』だって劇場版やOVAはデザイン違えて来たし、『ダンバイン』のOVAもそうでしょう。あの頃はナチュラルなパラレル感が望まれるというか、なにか変化を打ち出さなきゃって感じでしたね、プラモ的にも。
カトキハジメ
MSにおけるプロポーションの変化と可動の追求
- 大河原氏により、〈翼をもち変形する〉というコンセプトでウイングガンダムがデザインされ、さらにパワーアップした主人公機としてウイングガンダムゼロが誕生した。
- 『ガンダムW』の世界観やスタイリッシュなキャラクターを受けて、カトキ氏が大胆にアレンジ。当時ではまだ珍しかった頭身の高いプロポーションが試された。
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1/100
ウイングガンダムゼロカスタム OVAのヒットとともに、1/100スケールでキット化。大気圏突入モード、ツインバスターライフルの射撃シーンが再現できた。
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MG 1/100
ウイングガンダム Ver.Ka OVAには登場しないEW版のウイングガンダムを、カトキ氏プロデュースで立体化。細身でポップなスタイリングで仕上げられた。 -
MG 1/100
ウイングガンダムゼロEW ウイングガンダム Ver.KaをベースにMGで立体化。ウイングバインダーとツインバスターライフルを新規造形で再現している。 -
MG 1/100
ユニコーンガンダム Ver.Ka 『EW』以降、頭身の高いMSの認知度も上がるなかで、頭身が変わるギミックを内蔵したキットが登場した。 -
MG 1/100
ガンダムデスサイズ EW MGでEW版ガンダム立体化計画がスタート。可動域の確保や構造物としての機能性、組みやすさを目指した〈XXX-Gフレーム〉を採用。
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光 TV版のストーリーを、『EW』版として再構築したコミカライズ作品。新設定のEW版ガンダムたちが活躍した。
- MG 1/100 ウイングガンダムゼロ EW Ver.Ka MG2度目の立体化では、カトキ氏がVer.Kaでプロデュース。ネオバード形態の変形などを盛り込んだ意欲的なキットに。
多彩なディテールと成形色により造形の情報量がアップ
劇中ポーズをキットで再現するための可動とギミック
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可動軸が増えた
ジョイントアーム 大気圏突入モード、ネオバード形態2種を再現するため、ジョイントアームの可動軸は2004 MG版より追加され、ウイングバインダーは多彩な動きが可能になっている。 -
肩の引き出し/
胸部のギミック 2004 MG版の肩も前方向へ引き出せたが、今回のVer.Ka版ではさらに胸のブロックもスライド。両手持ちの射撃体勢がより自然に再現されている。 -
前かがみ 2004 MG版の腹部はボールジョイントでの1カ所可動であった。Ver.Ka版では2軸となり、スムーズな前屈みの動きが可能になった。
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ツインバスター
ライフル両手持ち 前腕の青いパーツをスライドさせると穴が露出する。その穴へ銃尾に内蔵されたステーを接続させると、安定した射撃体勢でディスプレイできる。 -
降臨ポーズが
可能な股関節 今回のVer.Ka版の股関節は脚を閉じて前後に交差させることができる。劇中で印象的だった〈降臨ポーズ〉が可能になっている。 -
脚部の関節と
太モモのスライド 大腿部のスライド可動と、深い角度で曲がるヒザ関節、つま先の可動などにより、脚部は流れるようなアウトラインを形成することができる。
「ネオバード形態」を再現
- シールドの変形 ネオバード形態時のシールドはバックパックに接続し、小翼と頭部を覆うカバーを展開する。MS形態ではギミックが詰まっていることを感じさせないコンパクトな収まりになっている。
- 大気圏内モード 主翼を展開した大気圏内モードは、より〈鳥〉らしさが出ている。2種のモードとも接続パーツを取り付けてディスプレイベースに飾ることができる。
- 主翼の展開 Ver.Ka版の主翼の裏側は、パーツ重なりにより陰影が濃くなっていて奥行き感が出ている。