『SEED & SEED DESTINY』
が紡いだ物語を
ガンプラで再現した名シーンで
振り返る。
『SEED FREEDOM』へと繋がる
軌跡を思い返そう。
C.E.(コズミック・イラ)――遺伝子を調整し、生まれながらにして優れた身体能力や頭脳を持つ人類(コーディネイター)と、自然のままに生まれた人類(ナチュラル)が存在する時代。
やがて2つの種族はプラントと地球連合に分かれ、憎しみと差別で相手を傷つけるようになっていく。C.E.70、「血のバレンタイン」の悲劇によってプラントと地球の緊張は一気に本格的な武力衝突へと発展した。
誰もが疑わなかった数で勝る地球連合軍の勝利。しかし当初の予測は外れ、戦局は降着したまま11ヶ月が過ぎようとしていた。
この物語は、友達を助けるために地球連合軍に参加することにるコーディネイター「キラ」と、母を「血のバレンタイン」で失いザフトに入ったアスラン、この2人が運命の再会を果たすところから始まる。
中立国オーブの資源衛星ヘリオポリスで暮らすキラ・ヤマトは工業カレッジに通う学生で、いつものように仲間と語らいながらゼミを訪れていた。何の疑いもなく続くと信じていた日常……。だが、ザフトのラウ・ル・クルーゼが率いるエリート部隊、クルーゼ隊による「G」奪取作戦が開始され、それは一瞬にして崩れ去ってしまった。
見慣れた街並みが戦場と化し、避難場所を探すキラの姿を発見した地球連合軍士官マリュー・ラミアスは、残されたMSのコクピットへ導こうとする。そこにザフト兵が襲撃してくる。その刹那、キラは彼と視線が合い驚愕する。目の前にいる兵士はかつての親友、アスラン・ザラだった。マリューは負傷しながらも、キラをコクピットに押し込むとMSを起動させた。炎に包まれるなか、白い巨体が立ち上がる。そのMSの名はGAT-X105 ストライクガンダム。キラが、同胞と親友であるアスランと戦うことになる、苦難の始まりであった。
アスラン「キラ!?」
キラ「アスラン!?」
キラの存在に驚きつつもアスランは残されたMSイージスを奪取する。キラとマリューはストライクを起動させたものの、OSは未完成のうえマリューは正規のパイロットですらない。そこへミゲルが乗るジンが現れる。ミゲルはアスランを離脱させると、ストライクを捕獲しようと重斬刀を振り下ろしてきた。マリューはPS(フェイズシフト装甲)を展開させて斬撃をしのぐが、ミゲルはさらなる攻撃を仕掛けてくる。逃げ遅れた友人たちを救うため、キラは操縦を代わると凄まじい早さでOSを修正していく。ストライクは本来の能力を発揮して、反撃へと転じ、ジンを戦闘不能に追い込む。ミゲルはジンを放棄し脱出。キラの活躍で危機を逃れたが、4機のGは奪われ、ヘリオポリスは甚大な被害を被ってしまった。友人らと合流したキラは地球連合軍の新造艦アークエンジェルへ避難するが、クルーの多くが失われていた。戦力はストライクとムウ・ラ・フラガが乗るメビウスゼロのみ。そこへミゲルとアスランによる攻撃が始まり、キラはストライクで出撃し、戦場で再びアスランと相まみえる。
ミゲル「生意気なんだよ!ナチュラルがモビルスーツなど!」
崩壊するヘリオポリスの中から、キラは救命ボートを発見する。ボートにはキラが密かに憧れていたフレイ・アルスターも乗り込んでいた。避難民を乗せたアークエンジェルは友軍の要塞アルテミスへ進路を取る。それを察知したクルーゼ隊は、奪取したデュエル、バスター、ブリッツ、イージスをすべて投入してきた。戦場で再び相まみえるキラとアスラン。1対4の戦力差に加え、不慣れな戦闘でバッテリーを浪費したストライクは、フェイズシフトダウンに陥ってしまう。そこへアスランのイージスが突撃しストライクを連れ去っていく。ムウの機転によりランチャーストライカーへ換装したキラは、辛くもイザークたちを退けるのだった。
アルテミスでの戦闘後、出航したアークエンジェルはユニウスセブンで補給を行う。そこでキラはプラントの歌姫、ラクス・クラインを救助する。ラクスの存在は傷ついたキラの魂を癒やしていく。意を決したキラは独断でラクスをアスランに引き渡すことに。「お前も一緒に来い」 アスランの呼びかけに応えることのできないキラは背を向ける。親友の2人が決別を迎えた瞬間であった。
キラ「けどあの船には仲間が! ……友達が乗ってるんだ!! 君こそ、なんでザフトになんか! なんで戦争したりするんだ!?」
アークエンジェルは第8艦隊と合流したものの、クルーゼ隊に襲撃され艦隊は全滅。アークエンジェルは単機で地球へ降下するが、そこはザフト勢力下のリビア砂漠であった。キラはヘリオポリスで出会った謎の少女カガリと再会する。カガリはレジスタンス組織「明けの砂漠」に参加しており、彼らと協力してザフトのバルトフェルド隊との決戦に挑むことになる。キラのストライクとムウのスカイグラスパーが出撃し、バルトフェルドもアイシャとともにMSラゴゥで戦場を駆けていく。戦いは激しく、キラとバルトフェルドの一騎打ちへとなだれ込んでいく。ラゴゥは右前脚と翼にダメージを負い、キラが投降を呼びかけるがバルトフェルドは拒絶する。敵として出会ってしまった以上、どちらかが滅びるまで戦うしかない。突撃するラゴゥにキラは〈SEED〉を発現させてアーマーシュナイダーを突き立てた。閃光とともに爆発するラゴゥを前にキラは絶叫するのだった。
アフリカを離れアラスカ基地をめざすアークエンジェルであったが、ザフトの追撃をかわすため中立国オーブへ逃げ込む。カガリはオーブの実質的指導者であるウズミ・ナラ・アスハの娘であった。
キラ「僕は……殺したくなんかないのにーッ!!」
オーブを出航したアークエンジェルをザラ隊が追撃。その戦いでニコルがアスランを庇って戦死する。再びアークエンジェルを捕捉したザラ隊は、ニコルの弔い合戦とばかりに猛攻をしかけてきた。アスランのイージスはストライクへ目標を定めていく。まだ15歳だったニコルを、ピアノを弾くのが何より好きなあいつをキラと自分が殺してしまった。激しい怒りにアスランは咆哮する。スカイグラスパーで初めて出撃したトールはキラに加勢しようと二人の戦闘に介入しようとするが、イージスが放ったシールドがスカイグラスパーのコクピットに直撃する。トールが散った……。キラは〈SEED〉を発現、アスランも初めて〈SEED〉に覚醒すると、歯止めを失った憎悪は二人を修羅に変えていった。ストライクに片腕を落とされるも、イージスはMA形態となってストライクを拘束、そのまま自爆モードへ移行する。アスランは脱出し、残されたストライクとイージスは轟音とともに光の中で爆ぜていった。
脱出したアスランは無人島で出会ったカガリに救助される。カガリにキラの行方を問われたアスランは、自分が殺したことを告白する。
キラ「アスランッ!!」 アスラン「俺がお前を討つ!!」
アスランとの戦いで生き残ったキラは、密かにプラントのラクス邸に運ばれ治療を受けていた。アークエンジェルの危機を知り、悩み抜いた末にキラは地球へ戻ることを決意する。何と戦うべきかを悟ったキラに、ラクスはザフトが開発した最新鋭MS、ZGMF-X10A フリーダムを託す。
地球ではオペレーション・スピットブレイクが発動され、ザフトの猛攻がアラスカ基地に集中していた。ザフトに包囲され窮地に陥るアークエンジェル。そこへ10枚の翼を広げたMSが舞い降りてきた。高機動空戦形態〈ハイマットモード〉で駆けつけたMSこそキラが乗るフリーダムだった。マルチロックオンシステムによるフルバーストで周囲の機体を戦闘不能にさせると、キラは敵味方、両軍に戦闘宙域からの離脱を呼びかける。どの命も失わせない。それがキラが決意した、新たな戦いであった。
一方、アスランは父・パトリック・ザラから、ZGMF-X09A ジャスティスを与えられ、フリーダムの奪還を命じられる。
キラ「両軍とも、直ちに戦闘を停止し、撤退してください!」
中立の理念を貫くオーブは地球連合軍から離脱したアークエンジェルを保護する。そのオーブに対し、地球連合軍は侵攻を開始する。実質的に軍を掌握するブルーコスモスのアズラエルは新型のG、カラミティ、レイダー、フォビドゥンを投入してきた。キラはフリーダム、ムウはストライクに搭乗し、アークエンジェルとともにオーブを守るために戦う。捕虜となっていたディアッカもバスターで加勢する。新型Gに苦戦するなか、キラの前に謎のMSが現れる。それはアスランが乗るジャスティスであった。所属不明機の介入で戦場に緊張が走る。「アスランが信じて戦うものは何ですか?」 ラクスの言葉に後押しされ、アスランはザフトとしてではなく、みずからの意思で戦闘に介入すると宣言し、新型Gへ攻撃を開始。フリーダムと初めてとは思えない見事なコンビネーションで3機を圧倒する。キラとアスランたちの奮戦で地球連合軍を退却させ、機体を降りた2人はあの死闘から初めて対峙する。涙を浮かべて2人を迎えるカガリを見やり、キラとアスランはようやく素直に語り合うのだった。
カガリ「お前らぁっ! この、ばっかやろうっ!!」
キラ、アスラン、カガリたちが結束を固める一方で、地球連合軍艦隊ではカラミティ、レイダー、フォビドゥンの再出撃準備が進められていた。パイロットのオルガ、クロト、シャニの3人は、生体CPUとして人工的に強化された人間であった。
オーブによる再三の交渉にも応じず、ついに地球連合軍によるオーブへの総攻撃が再開された。オルガの乗るカラミティは砲戦能力に特化した重武装型でオーブ軍MS部隊を殲滅していく。クロトのレイダーは空戦能力を持つ可変MSで、近接戦闘だけでなくカラミティを乗せての連携攻撃にも対応する。シャニのフォビドゥンは巨大なバックパックを展開することで、敵機が放つビームの軌道を曲げて防御することも、自機のビームも軌道を変えて思わぬ方向から攻撃することも可能であった。
3機は、宇宙へ脱出を試みるアークエンジェルとクサナギを追撃する。しかし、キラとアスランのコンビネーション攻撃により一歩及ばず、希望の種は宇宙へと駆け上がっていった。
ウズミ「種は飛んだ……これでよい。オーブも、世界も」
宇宙へと上がったアークエンジェルとクサナギは、ラクスのエターナルと合流し、地球連合とプラントの戦いを止めるために活動を始める。しかし地球連合軍は核ミサイルの使用に踏み切り、ザフトは大量破壊兵器ジェネシスで地球連合軍艦隊に多大な損害を与える。ジェネシスを破壊するため、地球連合軍艦隊は宇宙要塞ヤキン・ドゥーエへ攻撃を開始する。地球連合軍とザフトの不毛な戦いにキラとアスランたちは介入するが、終わりが見えない。
このコーディネイターとナチュラルの戦いを拡大させていたのは、ラウ・ル・クルーゼだった。〈出来損ないのクローン〉という出生を呪い、ラウは短い命と引き換えに人類の滅びを望んでいた。ラウの狂気は留まることなく、フレイが乗る脱出艇までも撃墜してしまう。また守れなかった……。悔恨の涙を流すキラに、フレイの魂が優しく触れて微笑む。
滅びのシナリオは進み、ヤキン・ドゥーエの自爆と連動したジェネシスのガンマ線レーザーが地球へ発射されようとしていた。アスランはジャスティスを自爆させることで発射を阻止し、カガリの説得で脱出する。
キラのフリーダムは、無線誘導型兵器「ドラグーンシステム」を搭載したプロヴィデンスと激闘を繰り広げていた。クルーゼだけは許すまいと満身創痍になりながらビームサーベルをプロヴィデンスへ突き刺す。死闘の末にラウ・ル・クルーゼを討ったキラは、夢とも現実ともつかない宇宙を漂っていた。涙を浮かべるキラの視線の先にはアスランとカガリの姿があった。
キラ「守りたい世界があるんだっ!!」
C.E.73。新プラント「アーモリーワン」にて、オーブ首長となったカガリと、プラント最高評議会新議長デュランダルによる極秘会談が行われていた。そこへ地球連合軍の特殊部隊ファントムペインが襲撃を仕掛けてきた。ファントムペインは新型MSカオス、ガイア、アビスを奪取し、基地を攻撃する。カガリを護衛するアスランは彼女を守るためにザクウォーリアで対抗するも戦況は不利。そこへ1機のMSが現れる。それはシン・アスカが乗るインパルスであった。シンはC.E.71のオーブ侵攻作戦で家族を失い、ザフトへ入隊。戦争を憎み、そしてオーブを守りきれなかったアスハ家にも憤りを感じていた。
カオス、ガイア、アビスはアーモリーワンを離脱。奪われた3機を取り戻すため、ザフトの新造艦ミネルバがシン、ルナマリア、レイを乗せて出航する。カガリとアスランも同行することになる。ファントムペインとミネルバが戦闘を繰り広げるさなか、コーディネイターのテロリストにより、ユニウスセブンが地球へ落下する事件が発生。シン、アスラン、イザークらがユニウスセブンの破壊作業に参加するが惨事は免れず、地球各地は甚大な被害を被ってしまう。
シン「また戦争がしたいのか!? アンタたちは!!」
ユニウスセブンの破片が地球へ落下した「ブレイク・ザ・ワールド」を口実に、ロゴスのリーダーであるロード・ジブリールはプラントへの核ミサイル攻撃を開始させる。再びプラントと地球連合の争いが始まり、カガリとオーブへ戻っていたアスランは単身、プラントへ帰国する。デュランダルの勧めでアスランはザフトへ復隊。FAITHとしてミネルバへ配属されることになる。
一方、オーブは大西洋連邦と同盟を結び、カガリはセイラン家のユウナと政略結婚せざるを得なくなってしまう。キラ、ラクス、マリューたちはオーブで暮らしていたが、ザフトの特殊部隊の襲撃を受ける。そのターゲットはラクスであった。キラは再び戦うことを決意し、フリーダムで出撃。特殊部隊のMSを一瞬で葬る。オーブに留まることは危険だと判断したキラたちはアークエンジェルでカガリとともに離れることを選択する。ミネルバと合流したアスランであったが、オーブを嫌うシンとは反発が絶えない。地球連合軍との戦いが続くミネルバは、大西洋連邦と同盟を組んだオーブ軍艦隊とも戦うことになる。
キラ「大丈夫……僕は大丈夫だから……ラクス」
ミネルバとオーブ軍の戦闘にカガリとキラは介入し、カガリはオーブ軍へ戦闘停止を命じるが聞き入れられず混戦状態になってしまう。戦闘後、アスランはカガリにオーブへ戻るよう説得するが、デュランダルに不信感を抱くカガリたちは受け入れることができない。宇宙で何が起きているのかを確かめるために、ラクスは宇宙へ上がる。不安を抑え見送るキラ。
焦るジブリールはザフトの地球拠点を叩くため、ユーラシア西側へ侵攻を開始。地球連合軍と巨大可変MSデストロイがベルリンの街を焼き尽くそうとしていた。駆けつけたシンは、デストロイに乗っていたのがステラであることを知る。彼女はファントムペインのひとりでMSガイアのパイロットであり、ディオキアの海でシンが救助した少女であった。シンは身を挺して説得するが、恐怖で彼女の耳には届かない。暴走を止めるため、フリーダムのビームサーベルがデストロイの胸を貫く。正気を取り戻したステラは最期、シンに抱かれながら「シン……好き」と言葉を残し息を引き取る。絶叫するシン。シンはステラの亡骸を静かな湖へと葬る。ステラ、安らかに……。そしてキラ・ヤマトに復讐を誓うのだった。
シン「ステラ……ごめん……」
アークエンジェルはベルリンの戦場でファントムペイン隊長のネオ・ロアノークを救助する。身体データから彼は前大戦で行方不明になっていたムウ・ラ・フラガであることが判明する。マリューは生還を喜ぶも、記憶を失っていることに涙する。
一方、デュランダルは突如、全世界に向けて軍需産業複合体ロゴスのメンバーを公表する。争いの元凶はロゴス。デュランダルはロゴスへ宣戦を布告し、世界から支持を集めるようになっていく。この一件で彼はプラント評議会を掌握する。そんな折、ミネルバにアークエンジェルを沈める「エンジェルダウン作戦」が下命される。オーブへ向かうアークエンジェルをミネルバとザフトの部隊が包囲し、その猛攻にさらされるアークエンジェル。キラはアークエンジェルを守りながら、シンのインパルスと戦わねばならず苦戦を強いられる。海中へ逃れようとするアークエンジェルに向けてミネルバがタンホイザーを発射。そしてシンの一撃がフリーダムを貫く……大爆発の後、爆煙の中から現れたのはインパルスだった。
シン「アンタは俺が討つんだ……今日、ここでッ!!」
復讐の鬼と化したシンによってフリーダムは大破したが、キラはカガリによって救出されていた。アークエンジェルも海中へと逃げ延びオーブへと向かう。帰還したシンをミネルバのクルーは労うが、アスランだけは異を唱える。孤立していくアスラン。デュランダルはジブラルタルへ到着したシンとアスランを呼び出すと最新鋭機デスティニーとレジェンドを与える。目を輝かせるシン、疑念の眼差しを向けるアスラン。意のままに動かない自分をデュランダルが消し去ろうとしていることを知った彼は、助けてくれたメイリンを伴ってMSグフイグナイテッドで基地を脱出する。
アスランの動きを察知していたレイはシンと出撃。アスランは戦いながらシンを説得しようとするも、その言葉はレイに歪められシンには届かない。シンは、心の迷いを振り払うかのように、「敵」としてアスランとメイリンが乗るグフイグナイテッドを撃墜する。突然訪れた別れに号泣するルナマリアを、シンは優しく抱きしめ、自分もまた涙するのだった。
シン「アンタが悪いんだ、アンタが……アンタが裏切るからぁっ!!」
ジブリールが逃げ込んだ地球連合軍の本拠地ヘブンズベースへ、デュランダルは最後通告を突きつける。地球連合軍は回答もなしにいきなり戦闘を開始する。その陣営には新たに用意されたデストロイ5機の姿もあった。
そのころアークエンジェルでは救出されたアスランが意識を取り戻していた。キラと再会を喜び合い、深手を負っていたアスランは再び眠りにつく。
圧倒的に地球連合軍有利と思われたが、シンのデスティニー、レイのレジェンド、ルナマリアのインパルスがデストロイを次々と撃破していく。ヘブンズベースを陥落させることには成功したものの、ジブリールは姿を消した後だった。
宇宙ではダコスタたちと合流したラクスがメンデルを調査中、一冊のノートに「デスティニープラン」という記述を目にする。そこへ艦内警報が鳴り響く。ザフトに発見されてしまったのだ。ラクスたちは決死の強行突破を試みる。エターナルの危機を知ったキラは、ストライクルージュにブースターを取り付けると単身、宇宙へ。機体が大破しながらも無事にエターナルへ着艦したキラはラクスと再会を喜び合う。そして新たな剣、ZGMF-X20A ストライクフリーダムガンダムに搭乗したキラが出撃すると、わずか2分の間に25機のザクウォーリアとグフイグナイテッドを全滅させてしまう。
キラ「ありがとう……これでまた僕はちゃんと戦える」
ヘブンズベースでの戦闘後、行方がわからなかったジブリールはセイラン家を頼り、オーブへ逃げ延びていたことが判明する。ただちにデュランダルはオーブへ軍を派遣する。アークエンジェルは修理中で、キラは不在、アスランは傷が癒えているとは言えない……それでも祖国を救いたいと願うカガリに、キサカとエリカ・シモンズは金色に輝くMSアカツキを渡す。それはカガリの亡き父ウズミ・ナラ・アスハが遺した機体だった。父の遺志をまた改めて胸に刻んだカガリはアカツキで出撃。ユウナを拘束すると全軍を掌握して、ザフトへと対抗する。
オーブ軍が押し返すかに見えたが、シンのデスティニーとミネルバが到着し、アカツキに襲いかかる。そこにキラのストライクフリーダムが到着し、アークエンジェルとネオ(ムウ)のスカイグラスパーも参戦。不利と判断したレイはシンを連れて一時撤退を選択する。カガリたちはジブリールの消息を未だつかめないまま、補給を終えたシンとレイが再び出撃していく。息の合った2人の攻撃にキラは苦戦。そこへインフィニットジャスティスガンダムを駆ったアスランが介入してくる。アスランの気迫がシンを圧倒。そしてジブリールが月へと脱出したことが判明し、これ以上の戦闘は無意味と判断したタリアは全軍撤退を命じる。
ウズミ「力はただ力。
多くを望むのも愚かなれど、むやみと厭うのも又愚か」
本物のラクスが全世界に向けて、デュランダルの側にいる“ラクス”は自分ではないこと、そして彼の考えを自分は支持していないと発言したことで、世界に動揺が走る。そんななか、月のダイダロス基地に逃げ込んだジブリールが、軌道間全方位戦略砲「レクイエム」をプラントに向けて発射する。デュランダルは全軍をもってダイダロス基地へ侵攻、レクイエムを押さえ、ジブリールも討つことに成功する。ロゴスは滅び、デュランダルは世界から支持を集めつつあった。オーブでは、アークエンジェルが制式に宇宙軍所属の艦艇となり宇宙へ。
月都市コペルニクスへ寄ったラクスとキラたちは、ラクスを演じていたミーアからSOSのメッセージを受け取る。それはラクス暗殺を狙った罠であった。ラクスは無事であったがミーアは命を落とすことに……。
機は熟したと判断したデュランダルは全世界に向けて「デスティニープラン」を発表する。オーブほか各国がそれに異を唱えると、修理したレクイエムで地球連合軍の月面基地アルザッヘルを破壊してしまう。続いてオーブを攻撃目標にされたことで、アークエンジェル、エターナルはオーブ艦隊とともにザフトと激突する。シンとアスランが再び対決。アスランは気迫の一撃でシンを沈める。意識が混濁する中、シンはステラの魂と会話する。
アスラン「この……馬鹿野郎ーッ!!」
激しいアークエンジェルとミネルバの攻防。そこへアスランが現れメインスラスターを破壊、ミネルバは航行不能となる。自分はクルーゼと同じクローンであると明かし、キラへと戦いを挑んだレイは敗北し宇宙を漂っていた。シンとレイの撃墜を知ったデュランダルは、宇宙要塞メサイアに搭載されたネオジェネシスで、レクイエム発射口宙域を自軍ごと一掃、レクイエムを発射させようとする。それをアスランとムウが阻止。キラはミーティア装備のストライクフリーダムで、メサイアのシールドシステムの破壊に成功し、エターナルとの一斉攻撃によって要塞の機能を沈黙させる。
崩壊が始まったメサイアにまでたどり着いたレイは、司令部で銃を向け合うデュランダルとキラを発見する。アスラン、タリアも駆けつけたとき一発の銃声が響いた。撃ったのは……キラの言葉に心が揺さぶられたレイだった。タリアは瀕死のデュランダルと、子どものように泣きじゃくるレイを抱き寄せ、炎の中に消えていった。キラとアスランは脱出し、メサイアは崩壊していった。
決戦が終わり、オノゴロ島の慰霊碑でキラ、ラクス、アスラン、メイリン、シン、ルナマリアが集う。キラはシンに手を差し出す。何度吹き飛ばされても花を植えつづける。そんな戦いをともに……手を取ったシンは涙し、新たに決意するのであった。
キラ「だから明日が欲しいんだっ!!
どんなに苦しくても変わらない世界は嫌なんだ」
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