今回はMG 量産型ズゴックとバンダイより発売されている水を使わずに形をつくることができる特殊な砂「suna・suna」を使用した
海岸のジオラマを製作していきます。
海の部分には透明シリコーンを使用し、海岸を再現していきたいと思います。
今回も楽しんで製作していきましょう!
海岸のジオラマを製作していきます。
「suna・suna」は特殊な製法により水を加えなくても強く握ると固まります。
手軽に使用できる素材で砂浜の情景をジオラマにしていきます。
http://www.asovision.com/suna-suna/
海の部分には透明シリコーンを使用し、海岸を再現していきたいと思います。
今回も楽しんで製作していきましょう!
今回使用する「MG 量産型ズゴック」
- MG 量産型ズゴックのパッケージ
- ズゴックの仮組みを進めていきます。
胴体 - 腕部
- 腰部
- 脚部
- 量産型ズゴックを組み上げた状態です。
- 破損した状態・配置するときのポーズを検討していきます。バランスを見ながら考えていきましょう。
- ベース上の配置を検討しておきます。
完成後の姿をイメージして砂浜・海岸・ズゴックといった要素に加え、
人物・車といった小物をレイアウトしていきます。
レイアウトを決めてジオラマ全体のサイズを決定します。 - 次にジオラマベースを製作していきます。
ベースの寸法は幅270mm 奥行210mm 高さ100mmになります。
土台となる木材を切り出していきます。 - ジオラマベースの壁となる板と、箱状に組んだ時の強度を増すための補強材を切り出します。
今回は、壁となる板にはシナベニヤ材の板厚4mmを使用しました。 - 土台用の木材を組んで木工用ボンドで接着します。
- 箱状に組み合わせるために、壁材の合わせ目を45度にカットします。シナベニヤ材は柔らかいため、クラフトナイフなどで加工できます。
この後土台と組み合わせるため、組合せ後に隙間が出来ないように壁材の長さに注意しながら加工します。隙間ができた場合はパテ等で補修します。 - 合わせ面を45度に削った壁材を接着します。
- 土台と壁材を木工用ボンドで接着します。
- 壁材同士の突合せて接着した内側には、接着部の補強のために補強材を接着します。
- ジオラマベースとしてはこれだけでも使用できますが、今回は装飾用の枠を追加します。枠材として使用するモールを切り出します。
モールは装飾建材ですが、大型のDIY店などで購入できます。(モール材は堅いため、ノコギリで加工する必要があります。) - 切り出した枠材を組んで接着していきます。
- 枠材を土台に接着します。壁材と同様に、隙間が出来た場合はパテ等で補修します。
- 接着剤が乾燥したらジオラマベースに油性ニスのスプレーを吹いて着色及びコーティングをしていきます。コーティングは、木材表面の毛羽立ちを抑えるためなどの理由があります。
- 油性ニスを塗布した後はザラザラしているため、耐水ペーパーで表面を整えます。この後色味を整えるために塗装します。塗装にはプラモデル用のラッカー塗料を使用しました。
- 塗装作業まで終わったジオラマベース画像です。
土台にはスチレンボードを使用しています。 - ズゴックをベースに配置しポージングや干渉する箇所を確認しておきます。
- 壁面とスチレンボードの隙間に木工用ボンドで隙間を埋めておきます。
水面に透明シリコーンを流すので隙間から流れ出ないように、隙間の無いように乾燥後も確認しておきます。 - 次にズゴックにダメージ表現を加えていきます。今回は大破して廃棄された状態にしていきます。
エッジ部分を中心にリューター・デザインナイフで傷をつけていきます。 - バックパック上部の外装は外し、取り付け部にプラ棒を埋めておきます。
- 破損し地面に落ちたクロー部分は先端をカットし、中の空洞になっている部分には0.5mmプラ平棒で芯を作りました。
- 左の脚部は太腿部分で破損した状態にします。
- 左の太腿の破損部分には外装の中にジャンクパーツ・2mmプラ丸棒で内部メカを再現しています。
- 右の脚部は水に遣って錆・劣化の進んだ状態にします。ダメージ表現にはニッパーも使用し、装甲が崩れている状態を再現していきます。
- 右足首のダメージを加えた箇所を中心に、流し込み用接着剤を塗り表面を慣らしました。
- ダメージ表現を加えた状態の画像になります。
- ジオラマベースに配置した状態を確認します。
- バックパックが地面と干渉し浮いたように見えるので、
干渉する箇所のスチレンボードをくり抜きます。 - 加工したベースにズゴックを配置した状態です。
完全に横になった状態ではなく、やや状態を起こし地面にもたれかかっているような状態にしました。 - 右腕部もバランスを考慮し、肩近くで破損した状態にしました。
内部にはバーニアを埋め込み、内部メカを再現しています。
塗装
- サーフェイサーを吹き、下地処理をしておきます。加工した部分で傷や段差が生じている箇所は再度ペーパーをかけて表面処理をしておきます。
※サーフェイサーはラッカー系塗料です。ABS樹脂は割れる場合がありますので注意してください。 - 剥がれやダメージ表現の下準備として、今回は下地に3層の色を重ねてエアブラシ塗装しておきます。
まずは金属色でスーパーファインシルバーをエッジ部分中心に塗装します。 - シルバーの乾燥後、Mr.シリコンバリアーを塗布し剥がれ表現ができるようにしておきます。
- 次に錆止め塗料のイメージで艦底色を塗装します。
こちらも乾燥後にシリコンバリアーを塗布しておきます。 - 装甲の下地としてエアクラフトグレー50%+ニュートラルグレー50%を塗装し、乾燥後にシリコンバリアーを塗布します。
- 下地ができたら本体色を塗装していきます。
本体色はベタ塗りしてもよいですが、薄く下地の色が見える程度でも問題ありません。汚し塗装を加えて暗くしていくので、エアブラシでは淡い色味で塗装していきます。
本体色ライトブルー - 本体色グリーン
- クロー部等(左)
本体色ブルー - フレーム部
【使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用 | |||
本体色ライトブルー | ホワイト85%+MSパープル10%+MSブルー5% | 本体色グリーン | MSディープグリーン70%+モウリーグリーン15%+ミッドナイトブルー15% |
クロー部等(左) | クールホワイト85%+ガルグレー15% | 本体色ブルー | スカイブルー50%+ホワイト30%+MSブルー10%+MSパープル10%+ブラック少量 |
フレーム部 | ニュートラルグレー |
※ラッカー系塗料はABS樹脂が割れる場合がありますので注意してください。
- 塗装したパーツを組み上げていきましょう。
- 基本塗装をしたズゴックをベースに配置した状態です。
- Mr.シリコンバリアーを使った塗装の剥がれ表現を加えていきます。本来は複製の際離型剤として使用するものですが、剥がれ表現に使うこともできます。
装甲の角やダメージ表現を加えた箇所を中心に、デザインナイフ・つまようじを当てて細かい箇所の剥がれを表現していきます。力を入れなくても剥がれるので、慎重に全体を見ながら作業していきましょう。 - 次に全体にエナメル塗料でウォッシングをしていきます。塗料はダークアース・つや消しブラックを塗料1:溶剤3の比率で薄めて使用します。
塗料をパーツ全体に塗っていきます。塗料をつけすぎるとパーツの隙間に塗料が入り込み、割れの原因になりますので慎重に塗っていきましょう。 - 綿棒・ティッシュなどで塗料を拭き取っていきます。拭き取りにくい場合はエナメル溶剤をつけて拭き取りましょう。拭き取りの方向は重力や配置場所を考えて拭き取っていきます。
- 拭き取りが完了した状態です。
- 次に油彩絵具でフィルタリングをして退色表現を加えていきます。
全体に油彩絵具のバーントアンバー(焦げ茶)・グレーオブグレーを少量筆で点付けしていきます。 - 油彩用の溶剤ペトロールを筆に付け、点付けした絵具を伸ばしていきます。
退色表現に加え、筆で上下に伸ばして雨垂れ・奥まった箇所のオイル汚れも塗装で表現していきます。 - 脚部はバーントアンバーで錆表現を下地も作っておきます。
- 一旦つや消しでトップコートをして、乾燥後に更にエナメルで埃・錆の表現を加えていきます。モノアイガードのクリアーパーツはエナメルのバフで埃がかった様子を再現しました。
- 関節の奥まった箇所や脚部にハルレッド+つや消しブラックで錆を書き込んでいきます。
- その上からクリアーオレンジで錆が雨などで溶け出した色合いも出していきます。
- エナメル塗料の乾燥後、ピグメントのバーントシェンナ(赤褐色)をアクリル塗料で溶いたものを使用し、錆表現を加えていきます。
ピグメントは模型店や画材屋でも購入することができます。 - 全体のウェザリング作業が終わった状態です。
最後につや消しでトップコートをしておきます。 - コクピット部には極細のビニールコードで立ち入りを禁止するロープを加えてみました。
- ベース部分の加工に入っていきます。
ズゴックの配置に合わせてスチレンボードを木工用ボンドで固定しておきます。透明シリコーンを流すので壁面との間に隙間がないかよく確認しておきましょう。 - ズゴックの配置に合わせて、まず軽量粘土で土台を作っていきます。スチレンボードの段差部分が目立たないようにしていきます。
- 軽量粘土の乾燥後に地面の下地をアクリルガッシュで塗装していきます。アクリルガッシュはグレイッシュベージュ・グレーオブグレーを混ぜて使用しました。
- 砂浜の部分に使用する「suna・suna」です。
suna・sunaは特殊な製法により水を加えなくても強く握ると固まります。 - suna・sunaをベースに敷いていきます。
塊で持ってもこぼれることもないので、作業台が汚れることもありません。また、固めることにより盛り付けもしやすくなっています。 - 地面部分にsuna・sunaを広げていきます。
- 地面部分に破損したクロー部分を配置し接着しておきます。周りにsuna・sunaを盛りつけ、やや地面に埋まった状態にしておきます。
- 地面にズゴックを配置した状態です。
- 海の底面にもsuna・sunaを敷いていきます。
全体に敷き終わったら、木工用ボンドを水に溶いたものに中性洗剤を数滴加えたものを塗りsuna・sunaを固定していきます。 - 地面が乾燥したら、海面を作成していきます。
海岸線にあたる部分をマスキングしておきます。 - 海面になる部分をクリアーブルーで塗装します。
部分的にクリアーグリーンを混ぜて濃淡をつけてみました。 - 海面になる部分を塗装した状態です。
透明シリコーンを流すと下の部分が透けて見えるので、先に底面をこのように塗装しておきます。 - ズゴックの腰・左腕の下部に2mm真鍮線を通して、ベースに固定できるようにしておきます。
- 水面の表現にはMr.情景用透明シリコーンを使用します。高透明度のシリコーンで、ベースに流し込み水面の表現に使用していきます。
- ベースに隙間がないのをよく確認してから、海面にあたる部分に透明シリコーンを流していきます。今回はシリコーンを130g使用しました。流し込んだ直後に表面に気泡が出てくることがあるので、デザインナイフ等でつぶしておきます。流動性があるのでシリコーンが完全に乾燥するまで、動かさないように注意してください。
- シリコーンが乾燥した状態です。
水に浸かった足首もシリコーンで固定されました。 - 次に水面を水性グレインペイントアクアのクリアを使用して波を表現していきます。水面の全体に筆で波を描いていきます。今回は穏やかな凪いだ状態の海を再現していきます。
- 1回目のグレインペイントアクアが乾燥したら、更に水面に波を描いていきます。海岸と水平に描いたり、筆で叩くように塗ったりして水面に強弱をつけていきます。
- 乾燥後は透明になります。盛り付けた部分は若干硬化に時間がかかるので、しっかり乾燥するまで待ちましょう。
- 波の表現に使用したグレイペイントアクアと波がしらの表現に使用した粉末ポリエステルです。
- 水面の乾燥後、波打ち際に波がしらを再現していきます。粉末ポリエステルはメディウムで溶いて固定します。
- 海岸に対して平行になるように、細く波がしらを描いていきます。
- 配置するフィギュア等小物はMGシャア専用ゲルググVer.2.0(別売)に付属するララァやエレカ、MGボールVer.Ka(別売)付属のフィギュアを使用しました。
2体とも元のフィギュアからプラ棒・ポリパテを使用してポーズ・衣装を変更しています。 - エレカは赤で塗装。フィギュア用のサーフボードはプラ板で製作しました。
- フィギュア・エレカを配置し、全体のバランスを確認していきます。
- フィギュアの位置を固定し、乾燥後にベース枠部分のマスキングを剥していきます。
枠部分に砂がついている場合は落として、ベースの見栄えを良くしておきます。 - 土台部分のマスキングを剥した状態です。
- ベース部分に金色のラベル用シールでタイトルを作成しました。1年戦争後の夏の日をイメージしております。いよいよsuna・sunaを使用したズゴックのジオラマが完成です!
ジオラマの完成
大破したズゴック、砂浜、海面で構成され、小物のフィギュア・エレカがアクセントになっています。
砂浜と海面の高低差や小物のレイアウトで空間が間延びしないようにしています。
大破し遺棄されてから時間を経て、各部に汚れや錆など劣化が見られる状態を再現しています。
破損した部分のダメージ表現、錆・雨垂れや朽ちた様子を再現しています。
胴体部分には埃、雨垂れを塗装で表現。
コクピットには侵入禁止のロープをビニールコードで再現しています。
胴体部分には埃、雨垂れを塗装で表現。
コクピットには侵入禁止のロープをビニールコードで再現しています。
フィギュア・エレカはジオラマ左側に配置。
女性のフィギュアはララァフィギュアを元に、髪型を変更しプラ板で帽子を作成。
手足・服装はプラ棒・パテでポーズ変更しています。
手足・服装はプラ棒・パテでポーズ変更しています。
男性のフィギュアはMGボール付属フィギュアのスーツ部分を削り、サーフパンツ姿に改装でしています。
エレカは無改造で赤色に塗装。サーフボードをプラ板から作成しています。
エレカは無改造で赤色に塗装。サーフボードをプラ板から作成しています。
ジオラマを俯瞰で撮影。
一年戦争後の夏の一日を再現した、落ち着いた雰囲気のジオラマに仕上がりました。
インテリア風のディスプレイも楽しめる作品になっています。
一年戦争後の夏の一日を再現した、落ち着いた雰囲気のジオラマに仕上がりました。
インテリア風のディスプレイも楽しめる作品になっています。
製作後記
-
今回はズゴックを題材に、特殊な製法によって握ることで固めることができる「suna・suna」を使用して海岸で朽ちたズゴックを配置した情景の製作方法をご紹介いたしました。
suna・sunaは手に取ってもこぼれ落ちることのない砂で、盛り付けもしやすいので、ジオラマ製作にも便利な商品になっています。
ズゴックは全体にダメージ表現・錆・朽ちた質感を再現したクラッシュモデルで製作していきました。情景に合わせた作り方もできるのがガンプラの魅力の一つかと思います。
suna・sunaや透明シリコーンなど手軽に使用できる素材を中心に、ジオラマ製作方法をご紹介いたしました。皆様も数あるキットの中からお好きな機体を選び、お好みの情景を描いて自分だけのジオラマ製作を是非楽しんでください!
▼今回の作例には以下のキットを使用しています