巨大なキットをディティールアップして楽しむ製作方法をご紹介していきたいと思います。
キットは機動戦士ガンダムUCのクライマックス、最終決戦で登場した大型MAネオ・ジオングが1/144スケールで立体化されています。
キットサンプルやパッケージをご覧になって、その大きさに驚いた方も多いかと思います。
また、併せて拡張キットのサイコシャードもご紹介し、キットの魅力をお伝えしていきたいと思います。
ネオ・ジオング製作を楽しんでいきましょう!
パッケージ | 説明書には各種設定が掲載されています。完成品写真を見て、製作のイメージを固めていきましょう。 |
パーツのランナー状態です。 Fランナー シナンジュ用のバズーカが2本付属します。 |
ネオ・ジオング用のパーツです。 Gランナー |
H1ランナー(2枚) |
H2ランナー(2枚) | Iランナー | Jランナー |
Kランナー | Lランナー | Mランナー |
Nランナー(2枚) | Oランナー(3枚) | Pランナー |
Qランナー | Rランナー(3枚) | Sランナー(3枚) |
Tランナー(2枚) | Uランナー | Vランナー(2枚) |
Wランナー | X1ランナー | X2ランナー |
Yランナー(3枚) | Z1、Z2ランナー | WA1、WA2ランナー |
WB1、WB2ランナー | WC1、WC2ランナー | WD1、WD2ランナー |
WEランナー(2枚) | WFランナー | ベース・クリア棒 |
こちらはシナンジュ用のパーツです。 Aランナー |
Bランナー | C1ランナー |
C2ランナー | Dランナー | E1ランナー |
E2ランナー | エングレービング用のシールも付属します。 |
パーツを確認し、キットを仮組みしていきましょう。大きいパーツもありますので、ランナーから切り出すときはゲートからパーツが落ちないよう注意します。 | まずネオ・ジオングのパーツを組んでいきます。 胸部正面 |
胸部背面 |
アームユニット | アームユニットは前後で6本あり、有線式大型ファンネル・ビットがつきます。 |
胸部にアームユニットをつけた状態です。 | 後ろ側のアームユニットも展開することが可能です。 |
腰部正面 | 腰部背面 | リアスカート 裏側には大型スラスターがつきます。 |
サイコシャード発生機 | 装甲が開き、サイコシャード発生機の展開状態を再現することができます。 |
シュツルムブースター | ベース・アクリル棒 シュツルムブースターを外したとき用の支柱も付属します。 |
次にシナンジュの仮組みをしていきましょう。 頭部、胸部 |
腕部 | 腰部 ネオ・ジオングへのドッキングを考慮して、フロントアーマーの左右で繋がっている軸は、中心でカットして独立して動くようにしておきます。 |
脚部 | バックパック | ライフル、シールド |
バズーカ 砲身の伸縮を差し替えで再現することができます。 |
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シナンジュが組み上がった状態です。 |
ネオ・ジオング胸部にシナンジュがドッキングした状態です。 |
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ネオ・ジオング全体が組み上がった状態です。約860mmと圧倒的なボリュームで、見応えのある姿です。 |
次に各部のディテールアップ工作に入ります。
スジ彫りでディティールアップをしていきましょう。 キットのパーツにスジ彫りでモールドを加えて密度感を高めていきます。スジ彫りを加えるパーツにシャープペンでラインを書き、ガイドとして、プリンター印刷用の透明シールラベルを細切りにして使用しました。透明なので、スジ彫りを行うラインも確認しながら作業することができます。 |
スジ彫りには0.15mm・0.2mm・0.6mmのタガネを使用しました。最初に軽くなぞってあたりをつけ、徐々に深く彫っていくようにしましょう。 | スジ彫り後は溝に残った削りカスをしっかり取り除いておきます。 |
リアスカートにもモールドをスジ彫りで追加していきます。曲面が大きいので、ラインをマスキングテープで決めていきます。 | 工具はタガネの他に、ニードルなどスジ彫りする箇所に応じて使い分けをするとよいでしょう。失敗した箇所は瞬間接着剤で埋めて修正しておきます。スジ彫りをした箇所に残った削りカスを落として、ペーパーをかけておきます。 |
スジ彫りでのモールド追加により、密度の高いパーツになりました。 | 各パーツの形状を見てディティールを加えていきます。モールドは説明書の写真や設定画を見ながら検討していくと作業が進めやすくなります。 | 次にビルダーズパーツを使用して、バーニアをディティールアップしていきます。今回は1/100 MSバーニア01(別売)を使用しました。 |
サイコシャード発生器のバーニアはリング状のパーツとバーニアを合わせて使用します。 | 大型スラスターには中心にバーニアを付けます。 |
リアスカートのバーニアにも中心にバーニアを付けます。 | シュツルムブースター基部にも各6個MSバーニアでディティールアップします。 | リアスカート裏は、MSパネル01(別売)とMSスラスター01(別売)を使用してディティールを加えます。 |
各パーツにペーパー(400番~1000番)をかけ表面処理をし、サーフェイサーを吹いて下地処理をしておきます。
赤いパーツの下地には、Mr.フィニッシングサーフェイサー1500にMr.カラーのピンクを混ぜて赤色がのりやすいように処理しました。 ※サーフェイサーはラッカー系塗料です。ABS樹脂は割れる場合がありますので注意してください。 |
ピンクを混ぜたサーフェイサーを吹いた状態です。 | 下地処理が終わったら塗装に入っていきましょう。 ※ABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。 赤色の塗装にはガンダムカラーのシナンジュレッド、ネオ・ジオングレッド、Mr.カラースプレーの赤2号(あずき色)を中心に使用していきます。 |
使用カラー 赤1 |
モールドに合わせてマスキングをして、明るめの色調も塗装していきます。 赤2 |
パーツを合わせつつ色味やバランスを確認していくとよいでしょう。 赤3、赤4 |
シュツルムブースターの白いパーツにはアクセントとして、黄色のラインを追加しました。先に黄橙色50%+キアライエロー50%でライン部分を大まかに塗装し、マスキングをしてクールホワイトを塗装しました。 | バーニア等ブルーグレー部は2段階の色調にしました。 (左)ブルーグレー1 (右)ブルーグレー2 |
フレーム部も段階を分けてグレーで塗装していきます。 グレー1 |
グレー2 | ファンネル・ビット等はマスキング処理してグレー1、2で塗り分けます。 | グレー3 |
(左)グレー4 (右)グレー5 |
ライトグレー | ダークレッド |
【ネオ・ジオング 使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用 | |||
赤1 | ネオ・ジオングレッド | ブルーグレー1 | ニュートラルグレー60%+パープル40%+ホワイト10% |
赤2 | ネオ・ジオングレッド80%+オレンジ20% | ブルーグレー2 | ニュートラルグレー60%+パープル40%+ウィノーブラック10% |
赤3 | ハーマンレッド60%+オレンジ40% | グレー1 | ニュートラルグレー |
赤4 | Mr.カラースプレー 赤2号 | グレー2 | ニュートラルグレー70%+ホワイト20%+ガルグレー10% |
ダークレッド | 艦底色60%+ウッドブラウン40% | グレー3 | ニュートラルグレー90%+ミッドナイトブルー10% |
ライトグレー | エアクラフトグレー50%+ニュートラルグレー50% | グレー4 | ニュートラルグレー90%+ホワイト10% |
グレー5 | ニュートラルグレー80%+ジャーマングレー20% |
バーニアは外側をスーパーアイアン、中のバーニアをメッキシルバー・スーパーゴールドで塗装しました。 | 塗り分けをすることで、パーツの密度感が高まり、見栄えするようになりました。 | リアスカート裏側の追加ディティールもグレー2で塗り分けました。 |
肘にある四角モールドはガンダムマーカーのガンダムシルバーを使用して塗り分けました。手首の白いモールドは付属のホイルシールを使用します。 | エナメル塗料のブラック+グレーでスミ入れをしていきます。 | パーツの色合い毎に、塗料の比率を変えてスミ入れしました。塗料をつけすぎるとパーツの隙間に塗料が入り込み、割れの原因になりますので慎重に塗っていきましょう。 |
各部にスミ入れをした状態です。一部モールドにはエナメル塗料のシルバーを使用し、装甲奥のメカニカルな部分を表現しました。 |
次にシナンジュを塗装していきます。
使用カラー 赤5 |
アンテナは安全基準用フラッグをカットしてシャープな形状にしてあります。 | (左上)黄色 (右上)バーニア青 (左下)フレーム色 (右下)黒 |
【ネオ・ジオング 使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用 | |||
赤5 | シナンジュレッド | 黄色 | 黄橙色60%+キアライエロー40% |
フレーム色 | ニュートラルグレー90%+ジャーマングレー10% | バーニア青 | スーパーアイアン |
黒 | ウィノーブラック |
エングレービングは塗装で塗り分けをしていきます。まずは全体をウィノーブラックで塗装し、エングレービング以外の黒い部分をマスキングしておきます。 | 次にスーパーゴールドでエングレービング部分全体を塗装します。 | 次にエナメル塗料のブラックで塗装します。エングレービング部分の黒はエナメルシンナーを付けた綿棒・筆で丁寧に落としていきます。落としすぎた箇所は再度エナメルの黒を筆塗りでリタッチしておきましょう。 |
モノアイ部分は基部をカットし、クリアグリーンで塗装したラインストーンに変更しました。 | シナンジュにもエナメルのブラック+グレーでスミ入れをしていきます。 | 次はガンダムデカール(別売)を使用してマーキングをしていきましょう。今回はHGUCシナンジュ用を使用しました。 |
各部を見ながら、使用するマークを検討していきます。使用するマークをデザインナイフで切り出して貼り付けていきます。 | デカールはぬるま湯に3秒程浸してから貼りたい箇所にマークを置き、台紙からすべらせるように貼っていきます。 |
デカールの位置を調整してから、綿棒等で押して気泡・水分を取っておきます。 | リアスカートのネオジオンマークは付属の水転写式デカールを使用しました。(ネオジオンマークはホイルシールも付属します)デカール貼付け後はマークセッターでしっかり固定しておきます。 | デカールは各部のバランスを見ながら、丁寧に貼っていきましょう。 |
デカール貼付けが完了した各部の状態です。マーキングの参考にしてください。 |
ネオ・ジオング全体のデカール貼付をした状態です。 |
シナンジュにも同様にガンダムデカールを使用しデカールを貼っていきます。 | バズーカにデカールを貼った状態です。砲身伸縮する部分はクールホワイト90%+ニュートラルグレー10%で塗装してあります。レンズ部分にはグリーンのラインストーンを使用しました。 | デカール乾燥後、光沢クリアーでトップコートをしていきます。大きい面の部分は、缶スプレーのMr.スーパークリアー光沢を使用しました。 |
シナンジュにも同様に光沢でトップコートをしていきます。 | トップコート乾燥後、シナンジュをドッキングさせます。塗膜が擦れないように、焦らず慎重に乗せていきましょう。 | シナンジュがドッキングした状態です。脚部カバーを付け、シールドも後部に装着します。 |
一通りの作業が終わりました。シュツルムブースターを外した状態でもディスプレイ可能です。 |
ホビーオンラインショップで発売された「HGUC ネオ・ジオング用拡張エフェクトユニット サイコシャード」もご紹介いたします。
パッケージ | サイコシャードのパーツです。 EAランナー(4枚) |
EB1ランナー(2枚) FB2ランナー(2枚) |
EC1ランナー EC2ランナー |
アームの接続でサイコシャード発生器の展開状態を再現することができます。 | 肩部側面からのサイコシャード発生器展開のギミックを再現しています。 |
サイコシャード発生状態の再現用にはクリアーのアームを使用します。こちらのアームで円形のサイコシャードを保持します。 |
直径約660mmのサイコシャードを取り付けた状態です。サイコシャードはクリアイエローで成型され、ハニカム模様のモールドが入っています。 |
展開状態のアーム部分はグレー4で塗装し、スミ入れをします。 ※ABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。 |
サイコシャードの塗装にはMr.クリアカラーGXのGXクリアゴールドを主に使用します。塗装前にランナー等で色味を確認しておくとよいでしょう。 | 全体をクリアゴールドで塗装後、クリアイエロー+蛍光イエローで外側をグラデーション塗装します。内側部分はクリアイエロー+クリアオレンジで薄く塗装しました。 ※ABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。 |
アーム・サイコシャードは光沢クリアーでトップコートしておきます。塗装したアームを取り付け、サイコシャード発生器の展開を再現した状態です。 | 塗装したサイコシャードを取り付け、サイコシャード発生を再現した状態です。 | 以上で全ての工程が終了しました。いよいよ大型キットネオ・ジオングの完成です!! |
まずはシナンジュ単体の画像です。エングレービング塗装により、シャープな印象に仕上がりました。 | ||
ライフルとバズーカを装着したシールドを装備した状態です。 | ||
右腕にバズーカを装備した状態です。 | バズーカは2本付属しますので、両腕に装備することも可能です。 | |
アクションベース2 スパークルクリアレッド(別売)を使用したディスプレイも可能です。 | ||
バズーカを装備し、可動範囲を活かしたポージングを楽しむことができます。 | ||
シナンジュがドッキングしたネオ・ジオングの全身です。 シュツルムブースターを付けた状態で全高約8,600mmと圧倒的な巨大さを感じることができます。 |
製作後記
今回はHGUC ネオ・ジオングを題材に、ディティールを加える製作方法をご紹介いたしました。
スジ彫りやビルダーズパーツによるディティールアップ、デカールのマーキングを中心に、より迫力ある姿のネオ・ジオングが完成しました。ディティールアップの作業自体はシンプルなものなので、お好みに合わせて手を加える箇所を選択していただければと思います。またネオ・ジオング用の拡張エフェクトユニット サイコシャードもご紹介いたしました。 ネオ・ジオングは大スケールならではの迫力、巨大感を味わえるキットで、作り応えのある魅力あふれる内容になっております。ガンダムUCシリーズは様々な機体がキット化されております。ネオ・ジオングと袖付きMSを並べてみたり、ユニコーンガンダム、バンシィとのラストバトルを再現してみたりと様々な楽しみ方ができるキットになっています。是非この大型キットHGUCネオ・ジオングを製作する楽しさを感じていただければと思います! ※ABS樹脂への塗装は、破損する恐れがありますので、ご注意ください。 ▼今回の作例には以下のキットを使用しています
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