今回は遂にMGキット化されたマラサイを使用し、キットの魅力をさらに引き出す方向で製作していきたいと思います。
MGマラサイは機体独特のフォルムを見事に再現し、加えて様々なポージングでディスプレイが楽しめるラウンドフォーミングジョイントや、バリュートパックの接続パーツも付属するなど魅力溢れるキットとなっております。
製作面はマラサイ本体にディティールアップをして、バリュートパックと共にウェザリングして仕上げていきたいと思います。
ウェザリングはバリュートパックの焼け・スス表現を中心にご紹介させていただきます。
今回使用するMG マラサイ
MGマラサイの各ランナーの紹介です。 Aランナー |
Bランナー | Cランナー |
Dランナー | Eランナー | Fランナー |
Gランナー | Hランナー | Iランナー |
Jランナー | SB1ランナー | ポリキャップ |
まずは仮組みを進めていきましょう
仮組みの時点では動力パイプ等細かいパーツは付けていません。 頭部にはモノアイ発光ギミックがあります。 |
モノアイも上部のグレーの突起を回すことで左右に可動させることができます。 | 首の部分にLEDユニット(別売)を組み込むことで、モノアイを発光させることができます。 |
胸部完成 | バックパック完成 | 頭部・胸部完成 |
腕部完成 | 腰部完成 | 脚部完成 |
ハンドパーツは握り手や表情豊かな平手も付属します。 | 武器はビームライフル・ビームサーベル2本が付属。新登場のラウンドフォーミングアクションベースジョイントも付きます。 | バリュートパックを装着するための接続パーツも付属します。 |
仮組みが完了した状態です。 | 可動範囲も広く、シールドを折り畳むこともできます。 |
工作に入っていきたいと思います
仮組みが終わったら各パーツを400~800番のペーパーで表面処理をしていきます。パーツによってペーパーやスポンジヤスリなどを使い分けると作業しやすいです。 | 成型上パーティングラインが生じている箇所もあります。仕上がりに差の出る部分ですので、ペーパー・スポンジヤスリなどで丁寧に消していきましょう。 | ペーパーがけし、パーティングラインを消した状態です。 |
成型上ヒケが生じている箇所もありますので、こちらはパテを使用し埋めていきます。 | パテの乾燥後、ペーパーをかけ面を均一にしておきます。 | 表面処理が終わったらディティールアップをしていきましょう。まずは面の大きいパーツにスジ彫りで密度を上げていきます。 |
スジ彫りを加えるパーツに、シャープペンでラインを書いていきます。ガイドとしてダイモテープを使用しました。 | スジ彫りには0.15mmのタガネを使用しました。最初に軽くなぞってあたりをつけ、徐々に深く彫っていくようにしましょう。 スジ彫り後は溝に残った削りカスをしっかり取り除いておきます。工具はタガネの他に、ニードル・エッチングノコなどスジ彫りする箇所に応じて使い分けをするとよいでしょう。 |
各部にスジ彫りをした後、1mm幅のプラ材や3mm幅のプラ平棒を細切りしたチップを貼りモールドを加えていきます。 |
全身のディティールアップが完了した状態です。 | 表面処理が終わったらサーフェイサーで下地処理をしておきます。 ※サーフェイサーはラッカー系塗料です。ABS樹脂は割れる場合がありますので注意してください。 |
下地処理が終わったら塗装に入っていきましょう
フレーム色 ※ABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。 |
本体色オレンジ | 本体色レッド |
動力パイプは真鍮線・プラ棒に順番どおり通し、表面処理をして塗装していきます。 | バーニア部(画像左上) モノアイ、センサー(画像右上) 動力パイプ(画像左下) |
ビーム・ライフル |
【使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用 | |||
フレーム色 | ニュートラルグレー90%+ジャーマングレー10% | 本体色オレンジ | オレンジ40%+クールホワイト40%+ハーマンレッド10%+ニュートラルグレー10% |
本体色レッド | マルーン90%+クールホワイト5%+ニュートラルグレー5% | 動力パイプ | ルマングリーン70%+クールホワイト20%+ニュートラルグレー10% |
バーニア部 | スーパーアイアン | モノアイ、センサー | クリアーグリン+蛍光グリーン極少量 |
ビーム・ライフル | ニュートラルグレー60%+ジャーマングレー40% |
※ラッカー系塗料はABS樹脂が割れる場合がありますので注意してください。
全身の基本塗装が完了した状態です。 |
次に各部にデカールを貼っていきましょう。今回は水転写式のガンダムデカール(別売)のMG Zガンダム系とMGシナンジュ用を中心に使用しました。 | 腕部にデカールを貼った状態です。デカールは各部のバランスを見ながら、丁寧に貼っていきましょう。 | 脚部にデカールを貼った状態です。デカール貼付け後はマークセッターでしっかり固定しておきます。 |
デカール貼付け後、つや消しクリアーで一度トップコートしておきます。これによりデカールの保護とウェザリング塗装ののりをよくすることができます。 |
バリュートパック(別売)の製作に入っていきましょう。
バリュート胸部パーツにマラサイ用アタッチメントパーツを付けて装着します。 | バリュート脚部パーツにアタッチメントパーツを付け、脛に装着できるようになります。 | バリュート背部パーツはバックパックに接続するかたちになっています。 |
バリュートパックにも表面処理、サーフェイサーで下地処理をして塗装をしていきましょう。※ABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。 バリュート色1 |
バリュート色2、3(画像左上) バリュート白(画像右上) アタッチメントパーツ(画像左下) ラウンドフォーミングアクションベースジョイント(画像右下) |
バリュートパイプ(画像左上) バーニア1(画像右上) バーニア2(画像左下) バーニア3(画像右下) |
【使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用 | |||
バリュート色1 | ミディアムブルー80%+ハーマンレッド10%+ニュートラルグレー10% | バーニア1 | スーパーアイアン |
バリュート色2 | バリュート色1 80%+クールホワイト20% | バーニア2 | スーパーチタン |
バリュート色3 | バリュート色1 70%+クールホワイト30% | バーニア3 | スーパーファインシルバー → クリアーレッド |
バリュートパイプ | ミディアムブルー60%+ハーマンレッド10%+クールホワイト30% | アタッチメントパーツ | ニュートラルグレー90%+ジャーマングレー10% |
バリュート白 | クールホワイト+ニュートラルグレー極少量 | ラウンドフォーミングアクションベースジョイント | ウィノーブラック |
※ラッカー系塗料はABS樹脂が割れる場合がありますので注意してください。
ブラシ塗装後、水転写式のガンダムデカール(別売)のMGシナンジュ用を貼り付けました。デカール貼付け後はマークセッターでしっかり固定しておきます。デカール乾燥後、つや消しでトップコートをしておきます。 |
マラサイ本体にバリュートパックを装着した状態です。 |
次にウェザリング作業に入っていきましょう
まず各部にブラック+グレーのエナメル塗料でフィルタリングをしていきます。全体に塗料を塗り、乾燥する前にキッチンペーパー・綿棒等で拭き取っていきます。これにより墨入れ効果と、薄い塗装の膜をつくることで色調を整え、ウェザリング時の塗料を馴染ませることもできます。左側がフィルタリングをした状態のパーツになります。 塗料は【塗料1:溶剤5】の比率で薄めて使用します。溶剤は揮発性の高いペトロール(油彩用溶剤)を使用しました。 |
全体にフィルタリングをした状態です。 塗料をつけすぎるとパーツの隙間に塗料が入り込み、割れの原因になりますので慎重に塗っていきましょう。スネパーツ等、パーツにはめ込みのテンションのかかる部分は分割した状態で塗装するとパーツの割れを防ぐことができます。 |
次にエナメル塗料で更に汚しを加えていきます。 塗料はバリュートを装着することから宇宙空間での汚れをイメージし、黒・グレー・茶系を使います。塗料皿等で混色しながら、筆先で塗料を点付けしていきます。 |
塗料が完全に乾く前に溶剤をつけた筆で塗料を広げるように馴染ませていきます。筆は細~中のものやぼかし用筆も使い、タッチを変えてあります。奥まった箇所に塗料を動かす感覚で陰影もつけていきます。右側が汚しを加えた状態になります。 | 全身にエナメルでの汚しを加えた状態です。バーニア周りは黒など、塗る箇所によって色味を変えていくとよいでしょう。 | 全体の汚しに加え、エナメルのグレー系塗料でチッピングも加えておきます。塗料をのせたときに、筆のかたちが残らないよう細かく塗っていきましょう。 動力パイプ部には油絵具(こげ茶)を使用しました。 |
次にバリュートパックのウェザリングに入っていきましょう。今回はバーニア部のスス表現や大気圏突入時の摩擦による焼け表現を加えていきます。 | バリュート背部パーツを例に紹介していきます。 | 先にバーニアのスス表現を加えていきます。塗料はエナメルのつや消しブラック・フラットアースを使用していきます。 |
バーニア部周辺に塗料を塗っていきます。溶剤で広げていくので、塗料の濃度は濃いままで大丈夫です。 | 溶剤を加えた筆で表情をつけながら塗料をぼかしていきます。 | エナメル塗料でスス表現を加えた状態です。ウェザリングの強弱をつけることによってパーツに豊かな表現を出すことができます。アクセントとしてバーニア部の赤い部分を少しだすとよいでしょう。 |
次にこげ茶系のピグメントでグラデーションをかけ焼け表現をしていきます。ピグメントは画材屋等で購入することができます。 | バーニア部周辺にピグメントを乗せ、綿棒等で馴染ませつつグラデーションをかけていきます。 |
ピグメントで焼け表現を加えた状態です。 部分的に明るいグレーでチッピングも加えておきます。チッピングに使用する塗料はエナメルは拭き取れるメリットがありますが、好みで質感・隠ぺい力のあるアクリルかラッカー塗料を使用してもいいでしょう。 |
同様に各パーツにもウェザリングを加えておきます。 | 次にライフルにドライブラシをしていきます。 |
今回はラッカーのスーパーファインシルバーを使用しました。エナメル・アクリル塗料でもドライブラシをすることができます。 まず筆についた塗料をティッシュでかすれるぐらいまで拭き取っておきます。 |
僅かに筆についた塗料をエッジにこすりつける要領で塗っていきます。この際、筆に塗料をつけすぎないように注意しましょう。 | 少し陰影がきつい印象だったので、エナメルのブラックや差し色としてクリアーブルーでフィルタリングをして色を馴染ませました。 ドライブラシによって、質感が大きく変わったのが分かるかと思います。部分的にお好みの場所にドライブラシを加えてもいいでしょう。 |
全体のウェザリング作業が完了した状態です。 |
バリュートパックを装着した状態です。ウェザリングをすることで大きく印象が変わりました。 |
MGマラサイの頭部には発光ギミックも内蔵されています。別売のLEDユニットを使用し、モノアイを発光状態にしてみましょう。 | LEDユニットは首の部分にはめ込むことができます。 | モノアイ発光状態です。光ることで劇中のイメージを再現することができます。 |
今回はキットとは別に、ディスプレイ用のベースも製作していきます。ベースにはホームセンター等で購入できる木製のものを使用します。 | ベースにニスを塗り、光沢を出していきます。ニスの色味は好みや載せる作品で選択するとよいでしょう。 |
次に市販のインクジェット用ゴールドのラベルシールを使用し、作品プレートを印刷します。フォントやレイアウトはお好みで作品に合うものを作っていきましょう。今回は右側のラベルを使用することにしました。最後にモノアイカバー・ライフルのレンズ部を取り付けていよいよMGマラサイ・バリュートパックの完成です!! |
MGマラサイの完成です
こちらはモノアイを発光させていない状態です。 |
モノアイを発光させた状態です。キットはマラサイ特有のプロポーションを見事に再現しており、ディティールアップ・ウェザリングを加えることで存在感のある作品に仕上げることができました。 |
ビームライフルを装備した状態です。ドライブラシで仕上げたライフルは質感が異なり、アクセントとなる部分になりました。キットにはライフル用の持ち手パーツも付属し、しっかりホールドすることができます。 |
ラウンドフォーミングアクションベースジョイントを、アクションベース(別売)に接続することで、今までにない大胆な構図でのディスプレイが可能になっています。 | ||
マラサイにバリュートパックを装着した状態です。バリュートパックを付けることで、重量感も増し迫力あるシルエットを描きます。 | ||
各部詳細画像です。 | ||
スス表現、焼け表現などウェザリングの参考にしてみてください。 | ||
腰下部でアクションベースに接続する方式のパーツも付属します。バリュート装着時の空間戦闘をイメージした様々なポージングも可能です。ラウンドフォーミングアクションベースジョイントはバリュート装着時も使用することができます。 | ||
大気圏突入時のポージングも可能です。緊張感溢れる構図になっています。 | ディスプレイ用に製作した木製ベースに作品を配置した状態です。 ベースを使用することで、作品ディスプレイの存在感・高級感がさらにアップします。作品を展示する際や、コンテストなどでもベースがあるだけで見栄えもかなりよくなりますので、是非挑戦してみてください。 |
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製作後記
今回はMGマラサイを題材にバリュートパックを加え、キットの魅力を活かす製作方法をご紹介しました。
キットはマラサイのプロポーションを見事に再現した上、様々な新機軸が盛り込まれた魅力溢れるものになっています。キットの良さを活かし、ディティールアップ・ウェザリングを加えることでさらに深みのある作品に仕上がりました。また、バリュートパックを装着することで、重量感・迫力あるシルエットを醸し出すのもこのキットの魅力の一つです。 キットに加えて、ディスプレイ用の木製ベースも製作してみました。ベースに置くことで、ディスプレイ品として作品の存在感も一際高くすることができるのでおすすめです。 ひと手間加える工作や塗装で、様々な表現・表情を持つ作品に仕上げることができます。皆様も是非MGマラサイの魅力をお手にとって肌で感じてみてください。様々な機体がキット化されるMGシリーズ、お好きな機体で自分好みの作品作りを是非楽しんでみてください! ※ABS樹脂への塗装は、破損する恐れがありますので、ご注意ください。 ▼この作例には以下のキットを使用しています
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MG 1/100 バリュートパック【8月再販】