RGシリーズ新作は待望の量産型ザク。
アドヴァンスドMSジョイントや極限まで細分化された外装パーツ・組み立てやすい設計など、多くの魅力を備えた素晴らしいキットです。
また、量産型ザクには指揮官機用頭部(アンテナ2種)と武器持ち手(右手)・平手(左手)も付き、さらにプレイバリューが高くなっています。

今回RG量産型ザクを使った楽しみ方の一つとして提案させていただくのは、HGUCガルマ・ザビ専用ザクのパーツを流用し、
一部改造することによってRG準拠のガルマ専用ザクを制作していきたいとお思います。

精密さと可動を兼ね備えたRGシリーズのキット。ランナーにはぎっしりとパーツが並んでいます。
部位ごとに組み立てを進めていき、1/144スケールに凝縮された量産型ザクの魅力を味わっていきましょう。
製作開始前はキット付属の説明書に目を通し、作業の手順を確認していきます。
以下は、パーツのランナー状態です。





まずは仮組みをして、キットの構成を確認していきます。細かいパーツもあるので、注意して組み立てていきましょう。

足首パーツ構成。
足首はソール部のつま先、踵が独立可動します。

脚部フレーム。
ランナーから切り取るだけで、フレームが組みあがります。可動範囲も広く、曲がるのに連動して各部がスライドする機構も見て取れます。
足首関節はボールジョイントになっています。

脚部パーツ構成。
シャア専用ザクと異なり、ふくらはぎのバーニアは2箇所になります。

脚部組立完了。
太腿は可動に伴い外装がスライドするギミックがあり楽しめます。

脚部動力パイプを組み立てていきましょう。
ザクの特徴とも言える動力パイプですが、組み立てやすいパーツ構成、手順になっています。
まずはDランナー6番のパーツにFランナー12番のパーツをはめます。
同じようにDランナー6番のパーツにFランナー12番のパーツ、スプリングを付けます。
それをFランナー11番パーツ6個に奥までしっかりはめ込みます。

次にFランナー12番パーツを2個はめ込みます。
最後に作ったものを合わせれば脚部動力パイプの完成です。
右と同様、左側のパイプも組み立てます。
パイプスプリングが入っているので、脚部の広い可動範囲にも追従して動きます。

腰部パーツ構成。
フロント、サイド、リアの外装が独立して可動します。

腕部パーツ構成。
量産型ザクに新規で付属する武器持ち手(右手)、平手(左手)パーツ。とても魅力的なオプションです。

肘の円形パーツ(C-7)は一度はめると外し難いので仮組時は付けていません。
腕もフレームの機構により広い可動範囲、スライドギミックも楽しめます。
上腕後ろのスライドするパーツ(G1-11、G2-11)はピンを折らないよう注意してください。

シールド、肩アーマーと接続フレームのパーツ構成。
スパイクも別パーツとなっていて、塗装派にも嬉しい設計になっています。

胸部パーツ構成。
先ほど腕部フレームから外したパーツはここで使用します。

バックパックのパーツ構成。
こちらも内部が新規パーツとなっています。

胴体に付く動力パイプを組み立てていきます。
最初にDランナー21番パーツにFランナー9番パーツ×6個をはめ込みます。
Fランナー9番パーツを奥にずらし、Fランナー10番パーツ×6個もはめ込みます。
全てはめ込んだら赤線の箇所でカットします。

右側完成後、左側も同じ手順で製作します。
胸部組立完了。
肩の関節の可動範囲も上下・前後のスライドと広範囲になります。
胸のハッチを開閉することもできます。

頭部パーツ構成。
アンテナは2種付属します。モノアイは首を左右に振ると連動して動くようになっています。

まずは頭部を組み立てて、動力パイプを作っていきます。
最初にBランナー8番パーツにFランナー7番パーツ×5個をはめ込みます。
Fランナー7番パーツを奥にずらし、Fランナー8番パーツ×5個もはめ込みます。
全てはめ込んだら赤線の箇所でカットします。

右側動力パイプ完成後、左側も同じ手順で製作します。これで頭部の組立完了です。
今回は付属のMSVタイプのアンテナを使用し、ガルマ専用ザクに改造していきます。

武器パーツ構成。
マシンガン・バズーカ・ヒートホークが付属します。
武器持ち手が付属しますので、しっかりとホールドすることができます。
表情豊かな平手も嬉しいところです。

一通り仮組みができました。
組み立てるだけで、小スケールに凝縮されたザクの魅力を感じることができます。

アドヴァンスドMSジョイントにより、様々なポーズをとることができます。
この状態でも充分楽しめるキットになっています。


今回は「HGUC MS-06FS ザクII(ガルマ・ザビ専用機)」の武器パーツを一部使用していきます。
素組状態で比較すると、HGUC・RGのプロポーションの違いがよく分かります。

本体は頭部のバルカン砲を改造することになります。

塗装前に表面処理をしていきましょう。
最初にパーツがランナーに付いているゲート部分を少し残しニッパーでカットしていきます。
その後ゲートを切り取り、ゲート跡を金ヤスリなど粗めのヤスリで削っていきます。その際、パーツに傷をつけないよう注意して削りましょう。
その後、400番、600番、800番と順に細かいペーパーをかけて整えていきます。ヒケがある場合は丁寧に消していきましょう。
曲面が多いパーツはスポンジヤスリを使用するとよいでしょう。

一通りペーペーがけが終わりました。

次に武器パーツの改造箇所の紹介です。
マシンガンはフォアグリップの形状が異なるので、RGパーツの軸を少し削り、HGUCのパーツを移植します。
ヒートホークのラックは軸を2mmに変更しています。
ヒートホークの刃部分は安全基準用のフラッグを切り落とし、シャープにしていきます。角の部分は取扱いに注意しましょう。

マゼラトップ砲は砲身部分のピンをカットすることで後ハメできるようにしておきます。

頭部のバルカン砲を製作していきましょう。
まずは穴を開けるポイントを決めマークをつけます。
0.8mmのピンバイスでマークの部分に垂直方向に穴を開けていきます。この際、穴は下まで貫通させなくても大丈夫です。

次に穴を開けた箇所に水平方向に穴を開けていきます。ずれないようゆっくり慎重に作業していきましょう。
最後に棒ヤスリ等で面を整えておきます。砲身部分は0.8mmの真鍮パイプを使用しました。2mmにカットしたものを埋め込んでいきます。
これで頭部の改造は完了です。
動力パイプのパーツはプラ棒等に通しておくと、表面処理・塗装作業がやりやすくなります。

サーフェイサーを吹き、下地を作っていきます。傷等あればペーパーで再度磨き、塗装に入ります。
※サーフェイサーはラッカー系塗料です。ABS樹脂が割れる場合がありますので注意してください。

ガルマ専用ザクは独特なブラウンの機体色も特徴です。HGUCキット指定色をベースに調色していきたいと思います。
RGの構成に合わせ、本体色は3段階に、緑の部分は2段階に調色しました。
塗料は乾燥後に色味が多少変わるので、塗装前にテストピースで試しておくとよいでしょう。
色が決まったら実際にエアブラシを使い塗装していきます。換気に注意して塗っていきましょう。

エアブラシで最初に塗料がのりにくい淵の部分を塗っていきます。
次に全体を塗装。塗膜が厚くなりすぎないよう、焦らず均一に塗っていきましょう。

下腕部分はマスキング処理をして色分けします。
マスキングをはがし、塗れてない仮称等必要な場合はリタッチを行います。


エアブラシでの塗装が一通り完了しました。
【使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用
本体ブラウン1ブラウン80%+MSイエロー20%+デイトナグリーン極少量
本体ブラウン2ブラウン60%+MSイエロー35%+サンディブラウン5%
本体ブラウン3ブラウン50%+MSイエロー25%+ガルグレー25%
足首ソール・胸部ミッドナイトブルー
本体緑4モウリーグリーン30%+ダークグリーン70%
本体緑5本体緑4 80%+MSディープグリーン20%
バーニアスーパーファインシルバー50%+黒鉄色50%
フレーム※MSグレージオン系
動力パイプ・シールド裏等ジャーマングレー
マシンガン・バーズーカ砲身等ニュートラルグレー
マシンガン・バズーカグリップ部等 ニュートラルグレー60%+ジャーマングレー40%
マシンガン・バズーカスコープ部等 ニュートラルグレー70%+ガルグレー30%
※関節等のABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。

塗装が終わったパーツに墨入れをおこなっていきます。
塗料1:溶剤5程度に薄めたエナメル塗料をモールドに流しこみます。
今回溶剤はペトロール(油彩絵具用溶剤・画材屋さん等で購入できます)を使用しました。
点付けする感覚で塗料が流れていくので、少量で充分です。
エナメルはプラに染み込むと割れの原因になるので、塗料のつけすぎに注意しましょう。
次に綿棒等ではみ出た箇所を溶剤をつけてふき取ります。

一通りパーツに墨入れが完了しました。
RGは分割が細かいので、墨入れ時のエナメルでの割れを防ぐためパーツ状態で墨入れしていきました。
マゼラトップ砲はRGに持たせても違和感のないよう、グレーの色味を分けました。
ヒートホークは刃(スーパーアイアン)、緑、ブラウン、ゴールドの順にマスキングしながら塗装しています。

次にデカールを貼っていきます。
今回デカールはガンダムデカール RGシャア専用ザク用をメインに使用しました。
切り出したマークを水に30秒ほど浸し、貼りたい箇所に貼付していきます。
余分な水分は綿棒で拭い、スライドマーク用接着補助剤(GSIクレオス マークセッター)を使いデカールを固定していきます。

デカールを貼ることで、密度感もぐっと高くなります。
全体を見てバランスに注意しながら好みに合わせて貼っていきましょう。
ガルマ・ザビ専用機ということで、パーソナルマークを貼りたいと思います。
デカールはMSVシリーズの1/144ザクマインレイヤーに付属しています。

マークはシールドに貼ってみました。また、MSVシリーズということで、腰のホワイトラインのデカールも使用し雰囲気を出しています。

デカール貼り付け作業が完了し、コーティング剤(GSIクレオス トップコート つや消し)を吹いていよいよ完成です!
モノアイはクリアーレッド+蛍光ピンク(極少量)で塗装しました。

RGガルマ・ザビ専用ザクが完成しました!
外装の色分けにより、RGの持ち味を充分に活かせました。
ヒートホークを装備。
カスタマイズされた金に光るヒートホークがガルマ専用機としてのスペシャル感を感じさせます。
バズーカを腰のラックに付けフル装備の状態です。
細分化されたパーツがマーキングと相まって、緻密なスケール感を醸し出します。
可動範囲も広く、多彩なアクションポーズをとることができます。
付属の武器持ち手により、しっかりと武器をホールドできることも嬉しい限りです。
マゼラトップ砲を装備した状態。
RGの可動をもってすれば、しっかりとマゼラトップ砲も構えることができます。

 いよいよ発売されるRG量産型ザクを使って、ガルマ専用機への改造を製作してみました。

キットは既に発売されているRGシャア専用ザクと同様、高いプレイバリューを誇るものになっています。
加えて武器持ち手等の新規パーツにより、さらに進化した組立やすさ・遊びやすさが高まった素晴らしい内容になっています。
素組でも充分楽しめるのでキットの構造をじっくり味わうのもよいですし、塗装で自分なりのザクを表現するのも楽しいと思います。

ガルマ専用ザクへの改造は大がかりな作業はなく、HGUCの武器パーツも使えるので手軽に挑戦できるものになったのでは思います。

ザクにはMSV等様々なバリエーションが存在します。
自分好みのカラーやバリエーションで製作し、RGザクの楽しさ・魅力を感じていただければと思います。

※アドヴァンスドMSジョイントを含むABS樹脂への塗装は、破損する恐れがありますので、ご注意ください。

▼この作例には以下のキットを使用しています

RG 1/144 量産型ザク

HGUC 1/144 ザクII(ガルマ専用機)

1/144 ザクマインレイヤー

第2回「RG 量産型ザク」をスプリッター迷彩に塗ってみる 編