第3回
今回も新商品R3 ウォーカーギャリアのメカニカルクリアVerを使用し、塗装・ウェザリングを加えることでさらに楽しむ製作方法をご紹介いたします。

3回目となる今回は、透明にクリア成型された外装パーツの半分をクリアカラーで塗装、残り半分を設定色で塗装&ウェザリングで仕上げていきます。
また、クリア部分と塗装部分の境界にドット状のマスキングを施し、段階的に色が変貌していく表現も加えていきたいと思います。

メカニカルクリアVerをひと手間加えて、自分好みの作品に仕上げていきましょう!

※部品の加工の際の刃物・工具・塗料・接着剤等の使用にあたっては、それぞれの取扱説明書をよく読んで正しくご使用ください。
 まずは仮組みを進めていきましょう
クリアパーツはランナーから切りはなす際、パーツ間近でカットするとその部分が白化するおそれがあります。ゲートを少し残して、カッター・デザインナイフでゲート部を処理するとよいでしょう。 仮組み状態で、全体のカラーリング・配色を検討しておきましょう。今回は左半身を中心にクリアパーツ外装にし、右半身はメタリック系塗料を使用し硬質感ある仕上げにしていきます。 クリアカラーはクレオス社製 Mr.カラーのクリアー塗料を使用していきます。
緑色の外装部分はクリアーグリーンを使用しました。色味は希釈する濃度・吹きつけの回数などで、好みに応じて調節してください。事前に使用しないパーツやランナーなどで、試し吹きをしておくとよいでしょう。 使用カラー
クリアー赤(画像左上):クリアーレッド
クリアー黄色(画像左下):クリアーイエロー
クリアーグレー(画像右):スモークグレー
バズーカ等武器類のクリア部分もスモークグレーを使用しました。
レッグタイプはクリアーグリーンに極少量のクリアーオレンジを混ぜ、少し色味を変えてみました。機銃部分はスモークグレーで塗装しています。 クリアカラーの塗装が完了した後、ドット状のマスキングを施す箇所を決めていきます。 フレームパーツに外装を付けて検討していきましょう。
次に外装パーツにドット状のマスキングを施していきます。
今回は2mmのマスキングテープを2mm・4mmにカットしたものを組み合わせたもので構成しています。
塗装時にパーツ裏側に塗料が付着しないよう、注意してマスキングしていきましょう。
左半身の塗装にはクレオス社のザブングルカラー ウォーカーギャリア用を使用していきます。 緑色の1層目はザブングルグリーン(70%)+クールホワイト(30%)で塗装します。 白の1層目はクールホワイトで塗装。グレーの1層目はザブングルブラック(70%)+ニュートラルグレー(30%)で塗装しました。
次に2層目もマスキング処理をして塗装していきます。1層目のパターンを考慮してマスキングをしていきましょう。 次にマスキングをしたもの以外の外装パーツも塗装していきましょう。塗装前にサーフェイサーを吹き表面のチェックも行っておきます。
※サーフェイサーはラッカー系塗料です。ABS樹脂は割れる場合がありますので注意してください。
サーフェイサーの次に、下地塗装としてスーパーアイアンを剥がれ表現用に塗装しておきます。また、グレーのパーツにはMr.シリコンバリアーを筆で塗っておきます。本来は複製の際離型剤として使用するものですが、剥がれ表現に使うこともできます。
ザブングルグリーンを塗装した状態です。 ザブングルホワイトを塗装した状態です。 使用カラー
黄色(画像左上):黄橙色80%+ザブングルホワイト20%
赤(画像左下):ハーマンレッド80%+ザブングルホワイト20%
白(画像右上):ザブングルホワイト
ザブングルブラックを塗装した状態です。 バズーカ等の武器類はザブングルブラック70%+ミッドナイトブルー30%で塗装しました。 フレームパーツはMr.カラースーパーメタリックシリーズを使用していきます。
使用カラー
関節部(1)(画像左上):スーパーゴールド
関節部(2)(画像右上):スーパーチタン
関節部(3)(画像下): スーパーアイアン
※ABS樹脂パーツは塗料をつけると割れるおそれがあります。ご注意ください。
使用カラー
関節部(4)(画像左上):スーパーファインシルバー
関節部(5)(画像右上):スーパーファインシルバー85%+クリブルー15%
関節部(6)(画像下):メッキシルバーNEXT
塗装が終わったら、次にウェザリングをしていきます。マスキング処理したパーツは一旦ここでつや消しのトップコートを吹いておきます。 ガンダムマーカーのウェザリングマーカーを使用し、雨だれなどを表現しました。マッドブラウン・ラストレッドの2種を点付けするように塗り、綿棒で一定方向に拭き取っていきます。
エナメル塗料を使用し、ウォッシングも施してみました。グレー・ブラック・ブラウン系を塗料1:溶剤3の比率で薄めて使用します。
塗料をつけすぎるとパーツの隙間に塗料が入り込み、割れの原因になりますので慎重に塗っていきましょう。
塗料を綿棒・ティッシュなどで塗料を拭き取っていきます。拭き取りにくい場合はエナメル溶剤をつけて拭き取りましょう。拭き取りの方向は重力や動きの方向を考えて拭き取っていきます。
ウェザリングマーカー・エナメルでウォッシングをした状態です。 次にエナメル塗料のグレーでチッピングをして細かい剥がれ表現をしていきます。塗料をのせたときに、筆のかたちが残らないよう細かく塗っていきましょう。
シリコンバリアーを塗ったパーツに塗装面を剥がす作業を行います。主に装甲の角・境目を中心に、デザインナイフやつまようじを当て少しずつ表面の塗装を剥がして下地を露出させていきます。力を入れなくても剥がれるので、慎重に全体を見ながら作業していきましょう。 一通りウェザリング作業が終わりましたら、マスキングテープを剥がしていきましょう。修正が必要な箇所は筆でリタッチしておくとよいでしょう。
塗装したパーツを組み上げていきます。左側のクリア部分と右側のウェザリングをした部分のバランスもチェックしておきます。
 いよいよウォーカーギャリア メカニカルクリアVer.の完成です!
ギャリィホバー ギャリィウィル
ギャリィホバー・ギャリィウィルの2機がウォーカーギャリアへ合体します。
※アクションベース1 クリアは別売りです。
ウォーカーギャリア本体のみの状態です。
左半身をクリア塗装・右半身をウェザリング仕上げという構成になっています。
クリア部分とウェザリングを加えた外装部分のコントラストが特徴的な作品に仕上がりました。
各部アップ画像です。マスキングで表現したドット状の境界もアクセントになっています。
ウォッシングやチッピング等の剥がれ表現を加えた部分です。ウェザリング塗装の参考にしてみてください。
バズーカを装備。 両手持ちもしっかりできます。
ライフルを装備。 バズーカを背中にマウントした状態です。
ブーメランイディオムを装備。 クリア成型された付属のレッグタイプもクリアカラーで塗装しました。
 製作後記
今回はR3 ウォーカーギャリア メカニカルクリアVer製作の3回目として、クリアー塗装・ドット状のマスキング塗装・ウェザリング塗装での作品に仕上げてみました。

クリアパーツの部分とウェザリング塗装をした部分が混在することにより、特徴のある作品にすることができました。
ディスプレイモデルとしても、ボリュームのあるウォーカーギャリアならではの重厚な存在感で鑑賞を楽しめるものとなっています。

透明なクリアパーツだからこそできる、クリアカラーでの色づけやカットモデル風仕上げなど様々な表現を楽しむことができます。
皆さんも是非メカニカルクリアVerで作品製作を楽しんでみてください!

※ABS樹脂への塗装は、破損する恐れがありますので、ご注意ください。