今回は新発売となるMGシリーズのアナベル・ガトー専用ザクを題材に、ウェザリング技術を用いてダメージ表現や汚し塗装に挑戦していきたいと思います。キットは06R高機動型ザクの成型色変更でガトー専用機を再現しています。
ウェザリングの技法は様々なものがありますので、作品の方向性や使用するマテリアルによりお好みで選択していただければと思います。
今回も楽しんで製作していきましょう!※このレポートはテストショットを使用して製作を行っています
今回製作する「MG MS-06R-1A アナベル・ガトー専用ザクII Ver.2.0」まずはキットのランナー状態のご紹介です。 Aランナー |
Bランナー | Cランナー |
Dランナー | Eランナー |
Fランナー | Gランナー | Hランナー |
Iランナー(2枚) | Jランナー | Lランナー |
Lランナー | Mランナー | Nランナー |
Kランナー、パイプスプリング、ポリキャップ |
仮組み
次にキットの仮組みをして構成を確認していきましょう。 頭部・胸部 ガトー専用ザクはブレードアンテナの無いタイプの頭部になります。 |
バックパック | 腰部 |
腕部 肘の可動範囲は2重関節で非常に広くなっています。 |
脚部 | 武装はザク・マシンガン、ジャイアント・バズ(ザク・バズーカに組み替えも可能)、ヒート・ホークが付属します。 |
組み上がった状態です。成形色の変更によりガトー専用機独特の配色になっているのが分かります。配色を確認しておきましょう。 |
表面処理 〜 塗装
仮組みが終わったら、表面処理をしていきましょう。 曲面にはスポンジヤスリを使用すると作業がしやすいです。 |
パーツに成型上パーティングラインが入っている箇所がありますので、ペーパーをかけて消していきます。平らな面はプラ板等で当て木をしてペーパーをかけると綺麗な面を出すことができます。 | シールドには派手目にダメージ表現を加えました。リューターを使用し、えぐれた箇所や削れた箇所を表現しています。弾痕やシールド端の損傷等、何によるダメージかを考えながら削っていきましょう。 |
塗装前にサーフェイサーを吹き下地処理を行っておきます。 ※サーフェイサーはラッカー系塗料です。ABS樹脂は割れる場合がありますので注意してください。 |
剥がれやダメージ表現の下準備として、今回は下地にエアブラシ塗装しておきます。シールド・スパイクアーマーなどに金属色でスーパーアイアンを塗装します。乾燥後、シリコンバリアーを全体に塗っていきます。 | 次に各パーツを塗装していきます。 ※ラッカー系塗料はABS樹脂が割れる場合がありますので注意してください。 使用カラー フレーム色 |
本体色青 | 本体色紫(画像左上 本体色緑(画像右上) 本体色白(画像左下) バーニア等(画像右下) |
本体色グレー |
動力パイプは芯の部分をマスキングし、本体色グレーで塗装しました。 | 武器類 | エアブラシ塗装が終わったらパーツを組み上げていきましょう。 |
【使用カラー】GSIクレオス Mr.カラーを使用 | |||
本体色青 | MSブルー50%+MSブルーZ系40%+MSパープル10% | フレーム色 | ニュートラルグレー60%+ジャーマングレー40% |
本体色緑 | MSグリーン2 80%+ダークグリーン20% | 本体色白 | クールホワイト90%+ガルグレー5%+ニュートラルグレー5% |
本体色紫 | MSパープル80%+クールホワイト20% | 本体色グレー | ジャーマングレー80%+ニュートラルグレー20% |
武器類 | ジャーマングレー70%+ミッドナイトブルー30% | バーニア等 | スーパーアイアン |
※ラッカー系塗料はABS樹脂が割れる場合がありますので注意してください。
最初にエナメル塗料でのウォッシングをしていきます。脚部を例に塗装をしていきましょう。 希釈・拭き取りには油彩画に使用するペトロールを使用しました(エナメル溶剤でも作業できます) 塗料はエナメルのジャーマングレーを塗料1:溶剤3の比率で薄めて使用します。調色した塗料を筆で、ムラにならないよう薄く全体に塗っていきます。塗料をつけすぎるとパーツの隙間に塗料が入り込み、割れの原因になりますので慎重に塗っていきましょう。 綿棒・ティッシュなどで塗料を拭き取っていきます。拭き取りにくい場合はエナメル溶剤をつけて拭き取りましょう。拭き取りの方向は動きの方向を考えて拭き取っていきます。 墨入れ効果もあるのがスジ彫り部分を見ると確認できます。 |
全体にウォッシングをした状態です。拭き取り忘れがないかチェックしておきましょう。 |
シリコンバリアーを塗ったパーツに剥がれ表現を加えていきます。リューターで削った部分や装甲の角・境目にデザインナイフ・カッターを当て、少しずつ表面の塗装を剥がしていきます。つまようじを使用して細かい箇所の剥がれを表現することもできます。 | 剥がれ表現を行った状態です。力を入れなくても剥がれるので、慎重に全体を見ながら作業していきましょう。 | 次にエナメル塗料で汚しを加えていきます。ブラック・グレーを混色しながら、筆先で塗料を点付けしていきます。バーニア周りは黒など、塗る箇所によって色味を変えていくとよいでしょう。 |
塗料が完全に乾く前に溶剤で広げていきます。揮発性の高いペトロール(油彩用溶剤)を使い、塗料を広げていきます。 溶剤を含んだ筆で、点付けした塗料を広げるように馴染ませていきます。筆は細~中のものやぼかし用筆も使い、タッチを変えてあります。 奥まった箇所に塗料を動かす感覚で陰影もつけていきます。エナメル塗料はやり直しもできるので、大胆に筆を動かしていきましょう。 |
武器類には鉛筆の芯(2B)を削って粉状にしたものを塗り、金属表現を加えています。 | 各部にエナメルのジャーマングレーでチッピングを加えました。外装の干渉する箇所での細かい擦れ・剥がれを筆で表現していきます。 |
塗料をのせたときに、筆のかたちが残らないよう細かく塗っていきましょう。 | シールドはエナメルの黒等でダメージ部分を強調し、パステル(黒・グレー)を茶こしで粉上にしたものを塗っています。 | バックパックのダクト部分にもパステルでスス汚れを加えました。 |
今回紹介したウェザリングの技法を全体に施しました。最後につや消しクリアーを吹き、塗膜を保護しておきます。クリアーレッド+蛍光ピンク(極少量)で塗装したモノアイをつけていよいよ完成です! |
MG アナベル・ガトー専用ザクII Ver.2.0 完成
まずは本体のみの画像です。ウェザリング塗装で高機動型ザクの重厚な雰囲気が際立つ作品に仕上がりました。 |
各部アップ。ウェザリング塗装の参考にしてみてください。 |
ザク・マシンガンを装備した状態です。 | ジャイアント・バズを左手に装備した状態です。 |
キットは可動範囲も広く、様々なアクションポーズを取ることができます。 |
キット付属のアタッチメントパーツを使用し、アクションベースに展示することもできます。 ※「アクションベース1 クリア」は別売りです。 |
マシンガン同様、バズーカもしっかりホールドできます。両手で構え、迫力ある発射状態をとることもできます。 |
製作後記
今回は新発売のMGガトー専用ザクを使用し、ウェザリング塗装での仕上げをご紹介しました。
ウェザリング塗装には様々な技法がありますので、お好みに応じて選択していただければと思います。特別な機材がなくても手軽にできるものが多いので、初めての方も気軽に挑戦してみてはいかがでしょうか。 MGザクVer2.0は組みやすさや可動範囲、プレイバリューなど、多くの魅力を持ったキットになっています。ガトー専用ゲルググと並べたり、他のザクと比較してみたりと、色々なアプローチでガトー専用ザクを製作していただければと思います。 皆さまも是非自分好みのガトー専用ザクを製作し、楽しんでいただければと思います。 ※ABS樹脂への塗装は、破損する恐れがありますので、ご注意ください。 |