そうして完成したDOME-Gの映像には、瓦解していくアクシズをバックに、νガンダムとサザビーが激突する姿が描かれている。全天に展開される映像はスピーディーで、時間が過ぎるのを忘れてしまうほど。膨大な情報量をもった映像に圧倒されてしまうが、映像とプラモデルの両方に触れることでファンのイマジネーションはいっそう広がるかもしれない。
ほぼ同じスペックをもつνガンダムとサザビーはまったくの互角で、ファンネルもビーム・ライフルも使い果たし、肉弾戦へと傾れ込んでいく。最後にはνガンダムの装甲ははがれ、破損していく内にフレームは拡張していき、サイコフレームが光を放ち発動していったのではないか? もちろん映像では明確にはされていないが、ユニコーンガンダムの“変身”が設計の段階から盛り込まれた変形であるのに対し、νガンダムの“発動モード”は偶発的に至った変形なのだろうか? '88年の劇場版では、サイコフレームはコクピット周辺の構造材にのみ使用されており、劇中の演出ではコクピット周辺が光を放っているものであった。それをMGνガンダムVer.Kaでは、発動モードとして機体全体に配置して可視化したことで、サイコフレームのイメージを明確に提示している。
宇宙世紀をひと飛びに体験したのを思い返しながらプラモデルのギミックで遊び、ファン視点でイマジネーションを広げることがきるのは、ホビーならではの遊び方だろう。